シロシモフリエダシャク Biston melacron
(シャクガ科エダシャク亜科)

春の夜、シロシモフリエダシャクの雄がひっそりと街灯に飛来していた。

年に一化、春のみに出現するシャクガで、西日本に分布するが局地的で個体数も多くない。

本種の属するBiston属は灯火に飛来するのは雄ばかりで、雌はのきなみ珍品であるが、本種の雌はとりわけ得難いようで、寄主植物を含め幼生期は一切判明していない。山陰地方は本種が比較的多産し、筆者もこれまで多数の雄を見てきたが、雌には未だに謁見できていない。いつか雌を採集して飼育してみたい蛾の一つである。

撮影データ: 2021年4月14日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 松井 悠樹

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日本鱗翅学会

第55回日本鱗翅学会大会のご案内

2008年11月15日公開

※終了しました。

日本鱗翅学会第55回大会は、九州支部が担当し、九州大学六本松キャンパス(福岡市中央区六本松)で開催されることとなりましたので案内申し上げます。 同キャンパスは2009年3月末日で伊都キャンパス(糸島)に移転しますので、六本松地区での開催はこれが最後の機会となります。 皆様のお越しを心よりお待ち申し上げます。

お詫び:学会誌「やどりが」に掲載されたプログラムの中で、2日目のシンポジウム「世界のゼフィルス」の内容に誤りがございました。 本ウェブサイトに掲載されているのが正しいプログラムです。 会員の皆様ならびにシンポジウムの関係者に深くお詫び申し上げます。

開催要項

大会・総会
九州大学六本松キャンパス5号館510号室
〒810-8560 福岡市中央区六本松4-2-1
大会会場周辺地図/キャンパス内地図
日程
2008年11月15日(土)から11月16日(日)
会費
大会参加費:1,000円(会員の8月11日以降の申し込み・非会員は2,000円)
懇親会費:7,000円(会員の8月11日以降の申し込み・非会員8,000円)
懇親会
福岡ガーデンパレス(天神)
〒810-0001 福岡市中央区天神4-8-15
Tel:092-713-1112
懇親会会場周辺地図/ウェブサイト

交通

大会会場への交通
空路
福岡空港(地下鉄空港線)→JR博多駅下車(あとは次のJRと同じ)
福岡空港(地下鉄空港線)→天神駅下車→(徒歩)→天神南駅(地下鉄七隈線)→ 六本松駅
JR
JR博多駅(西鉄バス)→六本松停留所
JR博多駅(地下鉄空港線)→天神駅下車→(徒歩)→天神南駅(地下鉄七隈線)→六本松駅
西鉄
西鉄天神福岡駅(西鉄バス)→六本松停留所
高速バス
JR博多駅下車(あとはJRの場合と同じ)
天神バスセンター下車(あとは西鉄の場合と同じ)
懇親会会場への交通
大会会場から懇親会会場へ
六本松(地下鉄七隈線)→天神南→(徒歩10分)→福岡ガーデンパレス(天神)
JR博多駅から懇親会会場へ
博多(地下鉄空港線)→天神→(徒歩3分)→福岡ガーデンパレス(天神)

大会事務局

大会会長
矢田 脩(九州大学大学院比較社会文化研究院)
大会実行委員長
上田恭一郎(北九州市立自然史・歴史博物館)
大会事務局長
小田切顕一(九州大学大学院比較社会文化研究院)
E-mail:goldia71@yahoo.co.jp
yatarcb@scs.kyushu-u.ac.jp
〒810-8560 福岡市中央区六本松4-2-1
九州大学大学院比較社会文化研究院 矢田研究室
日本鱗翅学会第55回大会事務局(小田切顕一)
TEL:092-726-4613(矢田研究室)/FAX:092-726-4644

大会プログラム

11月15日(土)大会1日目
10:00-12:00
評議員会
12:00-13:00
自然保護委員会
12:00
大会受付開始
13:00-13:15
開会の挨拶
13:15-15:30
一般講演(1から9)
13:15-13:30
1)アゲハ属チョウ類の前肢第5ふ節の形態の日本国内における地理的変異/井上 A. 尚(関東)
13:30-13:45
2)ウスバシロチョウのスフラギスについて/○寺 章夫(関東)・小野克己
13:45-14:00
3)ミスジチョウの雌雄識別法/小岩屋 敏(九州)
14:00-14:15
4)イチモンジセセリ属Parnaraの再々々検討/○千葉秀幸(九州)・范驍凌
14:15-14:30
5)チョウセンアカシジミの地理的分化/○永幡嘉之(東北)・小田切顕一・梅津和夫
14:30-14:45
6)ベニヒカゲ属(Genus Erebia)の系統生物地理/○中谷貴壽(関東)・宇佐美真一・伊藤建夫
14:45-15:00
7)クロマダラソテツシジミにおける幼虫の体色と成虫の季節型の決定要因/○平井規央(近畿)・加藤義臣・坂本佳子・石井 実
15:00-15:15
8) チャマダラセセリの生息地の現状/○石井 実(近畿)・平井規央・石谷正宇・広渡俊哉
15:15-15:30
9)ヤクシマルリシジミの北上現象について/○矢後勝也(関東)・中原真一・阿部 渉・磯畑芳樹・友国雅章・上島 励
15:30-15:45
記念写真撮影
16:00-18:00
シンポジウム「チョウの分布拡大と地球温暖化~九州・沖縄の場合」
オオヤマミドリヒョウモンの九州への飛来、分布拡大/福田 治
タテハモドキの分布拡大と佐賀県での定着/古川雅通
大分県における最近の南方系鱗翅類の動向/三宅 武
鱗翅類における南方分布種の宮崎県への分布拡大/岩崎郁雄
南九州におけるクロマダラソテツシジミとクロボシセセリの分布拡大/中峯浩司
地球温暖化と九州・沖縄のチョウの分布拡大/福田晴夫)
司会:石井 実
19:00-21:00
懇親会 会場:福岡ガーデンパレス(天神)
〒810-0001 福岡市中央区天神4-8-15
懇親会会場周辺地図
11月16日(日)大会2日目
9:00-11:30
一般講演(10から19)
9:00- 9:15
10)中原和郎先生の昆虫研究(1)/中村和夫(関東)
9:15- 9:30
11)神奈川県で頻発するサクラスガ幼虫の大量発生とシウリザクラの被害状況/○谷 晋(関東)・伴野英雄・山上 明
9:30- 9:45
12)フクロウ類の巣に生息する蛾 2006-2008年の結果/○那須義次(近畿)・村濱史郎・松室裕之
9:45-10:00
13)シャチホコガ科寄主植物の相関関係/中臣謙太郎(関東)
10:00-10:15
14)ルーに対するアゲハチョウ類の寄主適合性/○朝倉一星(中国)・本田計一・大村 尚
10:15-10:30
15)ジャコウアゲハ卵サイズの個体群間変異とその適応的意義/加藤義臣(関東)
10:30-10:45
16)縄張り場所への到着順序がチョウの社会的地位に影響する~雄性先熟のメカニズム?~/竹内 剛(中国)
10:45-11:00
17)クロボシセセリの侵入・定着・安定に関する考察/金井賢一(九州)
11:00-11:15
18)埼玉県と茨城県におけるモンシロチョウとスジグロシロチョウの比率の変化~東京都との比較~/巣瀬 司(関東)
11:15-11:30
19)アサヒナキマダラセセリの生態と保護の現状/渡辺康之(近畿)
11:30-12:00
ポスター発表コアタイム
12:30-13:30
日本鱗翅学会アサギマダラプロジェクト公開シンポジウム
世話人:渡りチョウを調べる会(旧アサギマダラプロジェクト)
※昼食を持参して参加してくださって結構です。
プロジェクト会務報告
特別講演
1.アサギマダラの飛翔メカニズムの解析/泉田 啓
2.アサギマダラの移動 最近の話題(仮題)/金沢 至
13:30-14:00
日本鱗翅学会総会
14:00-16:00
シンポジウム「世界のゼフィルス」
総論「世界のゼフィルス大図鑑」の「問題点」と今後のゼフィルス研究の展望/小岩屋 敏
各論
1.中国広東省北部南嶺山地周辺の蝶類生態調査―タテジマオナガシジミ、メルウラアカシジミの幼生期―/原田基弘・大島良美・吉田良和
2.野外での二大難関‐ナナイオナガシジミとネッタイミドリシジミ/長谷川大
3.最近のDNAによる系統解析の問題点-解析方法変化のもたらすもの/小田切顕一
司会:矢後勝也
16:00-17:30
小集会(1-3)
第2回 アゲハモドキ研究会 世話人:中臣謙太郎
ロシア沿海地方の鱗翅類 2 世話人:宇野 彰・長谷川大・小田切顕一
1.極東ロシアの蝶類誌 2 -「水田以前」と「土地利用の隙間」-/永幡嘉之
2.ロシア沿海地方の春キリガ/四方圭一郎
タイワンツバメシジミの保全 世話人:中村康弘(日本チョウ類保全協会)
長崎県のタイワンツバメシジミとその保全/中村康弘・中薗信行・池崎善博
熊本県のタイワンツバメシジミとその保全/溝部忠志
宮崎県のタイワンツバメシジミとその保全/宮崎昆虫同好会
鹿児島県本土のタイワンツバメシジミの周年経過と保全/熊谷信晴・中峯浩司・福田晴夫
17:30
閉会

ポスター発表(1から7)

1)荒川江北橋緑地のチョウ群集/瀬田和明(関東)
2)蛾類幼虫百態(8) /中臣謙太郎(関東)
3)在来種ゴマダラチョウと移入種アカボシゴマダラの比較生態/○松井安俊・松井英子(関東)
4)発香鱗の形態に基づくシロチョウ亜科の属の再検討/○岩崎浩明(九州)・矢田 脩
5)コモンマダラ属Tirumalaの雄性器官:hairpencilsとPTPsの関係(鱗翅目:タテハチョウ科 マダラチョウ亜科)/○橋本 恵(九州)・矢田 脩
6)ホソチョウモドキ属Pseudacraeaの雌交尾器形態からみた分類学的再考(鱗翅目:タテハチョウ科)/大島康宏(九州)
7)東南アジアにおけるフタオチョウ属Charaxes2種, アリストギトンフタオC. aristogitonとハルモディウスフタオC. harmodius の分類学的再検討(鱗翅目:タテハチョウ科)/○勝山礼一朗(九州)・矢田 脩

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。