シロシモフリエダシャク Biston melacron
(シャクガ科エダシャク亜科)

春の夜、シロシモフリエダシャクの雄がひっそりと街灯に飛来していた。

年に一化、春のみに出現するシャクガで、西日本に分布するが局地的で個体数も多くない。

本種の属するBiston属は灯火に飛来するのは雄ばかりで、雌はのきなみ珍品であるが、本種の雌はとりわけ得難いようで、寄主植物を含め幼生期は一切判明していない。山陰地方は本種が比較的多産し、筆者もこれまで多数の雄を見てきたが、雌には未だに謁見できていない。いつか雌を採集して飼育してみたい蛾の一つである。

撮影データ: 2021年4月14日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 松井 悠樹

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日本鱗翅学会

第5回 里山保全特別講演会・公開シンポジウム 『里山の蝶と蛾を守る』

2008年10月 5日公開

※終了しました。

昆虫の宝庫であった里山が変貌しています。種々の要因が里山の生き物に複合的に影響し、身近にいたはずの昆虫が徐々に姿を消しているのです。その実態をさぐる講演会を開催します。この講演会では、近年始まったばかりの京阪神地区のガの生息調査や、保全に向けての活動についてまず報告していただきます。そして、これまで総括的に紹介されることが少なかった紀伊半島のチョウ相やその変化、近畿地方におけるチョウの生息状況、および各府県において保全することが望まれる重要なチョウについての報告を受けます。また、身近なチョウやガの保全に関しての意見交換も行いたいと考えています。

日時
10月5日(日)午後1時から午後5時
会場
大阪市立自然史博物館講堂(南側通用口より入場下さい)
参加費
無料(ただし展示を見る場合には博物館入館料が必要)
主催
日本鱗翅学会近畿支部・大阪市立自然史博物館
内容
1.近畿地方における蛾の現状報告(木下總一郎)
2.紀伊半島における蝶の現状報告:奈良県(伊藤ふくお)、和歌山県(諏訪隆司)、三重県(中西元男)
3.各府県において保全が必要な種や地域:福井県(三上秀彦)、滋賀県(南尊演)、京都府(小野克己)、大阪府(森地重博)、兵庫県(近藤伸一)など
4.総合討論

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鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。