ヒメクロオビフユナミシャク Operophtera crispifascia
(シャクガ科ナミシャク亜科)

寒冷期に活動するシャクガの仲間、いわゆる冬尺蛾のひとつ。山深いブナ林に生息する。木々の葉が黄色く色付きそして落葉する直前のひと時に限って出現し、同所的に見られる他の冬尺蛾よりも出現時期はやや早い。

冬尺蛾のメスはいずれも翅が縮小あるいは消失しており飛翔能力を持たないが、その中にあって本種のメスは相対的にかなり大きな翅をもつ。オスは低地~山地でよく見られるクロオビフユナミシャクに似る。しかし触角の櫛歯は本種の方がはるかに長く、識別は容易。

ブナの幹に本種のメスがとまっていると、中途半端な大きさの翅が幹表面に接して周囲に馴染み、小さなコブのように見える。コーリング(雌性フェロモンの放出)は午後7時頃に行われ、その時間帯には多数のオスがブナ林内を飛び交う。

撮影データ: 2015年10月17日 八甲田山(青森県)
撮影・文章: 工藤 誠也

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日本鱗翅学会

日本昆虫学会九州支部・日本鱗翅学会九州支部合同大会

2007年12月 2日公開

日本昆虫学会九州支部・日本鱗翅学会九州支部合同大会プログラム(TAIIV共催)

※終了しました。

日時
2007年12月2日(日)午前9時30分から
場所
九州大学西新プラザ
スケジュール
09:00
受付開始 2階 交流ホール
09:30-11:00
一般講演(口頭) 2階 大会議室
11:00-11:10
休憩
11:10-12:30
一般講演(口頭) 2階 大会議室
12:30-12:40
休憩(弁当引き渡し:2階交流ホール)
12:40-13:30
日本昆虫学会九州支部総会、ならびに日本鱗翅学会九州支部総会 2階 中会議室
(昼食をとりながら実施、総会終了後は昼食休憩)
13:30-15:30
特別講演 2階 大会議室
15:30-15:45
休憩
15:45-17:45
一般講演(ポスター)2階 大会議室後方
17:45
閉会
一般講演(TAIIV外国人研究者による英語での口頭発表)
09:30-10:00
(OR-8)The parasitoid wasps of the eulophid tribe Eulophini (Hymenoptera, Eulophidae, Eulophinae) of Java
ジャワ産ヒメコバチ科ヒメコバチ族の捕食寄生性ハチ類(膜翅目,ヒメコバチ科,ヒメコバチ亜科)
ロシコン・ウバイディラ (ボゴール動物学博物館)
10:00-10:30
(OR-9)Java, Nusa Barong and Nusa Kambangan, Indonesia
インドネシア(ジャワ)のヌサバロン島とヌサカンバンガン島におけるゴール形成節足動物
ツキリン・パルトミハルジョ(インドネシア科学院生物学研究センター)
10:30-11:00
(OR-10)Species diversity of tineid moths (Lepidoptera: Tineidae) in South China
中国華南地区におけるヒロズコガ(鱗翅目:ヒロズコガ科)の種多様性
黄 国華 ・ 広渡俊哉(大阪府大院)・王 敏(華南農大)
11:00-11:10
休憩
11:10-11:40
(OR-11)Inventory surveys of butterflies in Java
ジャワにおけるチョウのインベントリー調査
ペギー・ジュニヤンティ (ボゴール動物博物館)
11:40-12:10
(OR-12)An introduced plant induced a native butterfly outbreak that may threaten the survival of an endangered plant
帰化植物による蝶の大発生が絶滅危惧植物の生存を脅かすか
呉立偉(台北国立師範大学)・顔聖紘(国立中山大学)・(台北国立師範大学)
12:10-12:30
総合討論
特別講演(英語による口頭発表)
13:30-14:30
(SP-1)Butterflies, biodiversity, general systems theory, and taxonomy
チョウ、生物多様性、一般システム理論、そして分類学
リチャード I. ベンライト(大英自然史博物館元昆虫学部門長)
14:30-15:00
(SP-2)Geographical structures of butterfly populations in Vietnam
ベトナムにおけるチョウ個体群の地理的構造
アレクサンダー L. モナスティルスキー(ベトナム・ロシア熱帯生態学センター)
15:00-15:30
(SP-3)Research on insects in Sabah, Borneo
ボルネオ島サバ州の昆虫調査
マリアッティ・モハメド (マレーシア国立サバ大学)
一般講演(ポスター発表)
15:45-17:45
(PO-1)
Spatial distribution pattern of termites in converted oil palm plantations and selected forest sites assessed through the rapid diversity assessment protocol
Rapid diversity assessment protocolにより評価された、アブラヤシ栽培林と選択されたforest sitesにおけるシロアリの空間分布パターン
フェイスリー R.・イドリス アブド ガーニ(マレーシア国民大学)
(PO-2)
Construction of Reference Database TABR Based on the Tropical Asian Bees
熱帯アジア産ハナバチ類文献データベースTABRの構築
多田内 修 (九大院・農・昆虫) ・三田井 克志 (九大院・農・昆虫) ・井上 仁 (九大・情報基盤研究開発センター)
(PO-3)
The construction of an image database of Lepidoptera collections in Japan
日本における鱗翅類コレクション画像データベースの構築
神保宇嗣(東大)・広渡俊哉(大阪府大)・中西明徳(兵庫人博)・上田恭一郎(北九州市博)・矢田 脩(九州大学大学院)・吉松慎一(農環研)・伊藤元己(東大)
(PO-4)
Palm flower weevils (Coleoptera, Curculionoidea) in South-east Aisa: replacement and differentiation of taxa from other parts of the world
東南アジアにおけるヤシ類の訪花性ゾウムシ:世界の他の地域とは異なる、分類群の入れ替わり
小島弘昭(東京農業大学)・イドリス アブド ガーニ(マレーシア国民大学)・チャンドラドワナ ボエル(ムラワルマン大学)
(PO-5)
Short survey of butterflies in Timika (West Papua, Indonesia)
Timika (西パプア州, インドネシア)におけるチョウ類の生態観察
森中定治(放送大学)・Ida K. Ginarsa(バリバラット バタフライガーデン)
(PO-6)
Molecular phylogeography of two sibling species of Eurema butterflies
東アジアにおけるキチョウの分子系統学的研究
成田聡子・野村昌史(千葉大学大学院)・加藤義臣(国際基督教大学)・矢田 脩(九州大学大学院)・陰山大輔(農業生物資源研究所)
(PO-7)
Differences in seasonal morph response and host plant use between two types of the butterfly "Eurema hecabe" in Taiwan
台湾産「キチョウEurema hecabe」2型における季節型反応と寄主植物選好性
加藤義臣(国際基督教大)・矢田脩(九州大学大学院)・(国立台湾師範大)
(PO-8)
A taxonomic review on the Cepora aspasia group in the Mentawai Archipelago (West off Sumatra)
メンタワイ群島(スマトラ西方沖)におけるCepora属aspasia種群の分類学的再検討
岩崎 浩明・矢田 脩(九州大学大学院)
(PO-9)
Comparative study of microstructure of PTPs : potential of sexual isolation mechanism in genus Tirumala (Lepidoptera: Nymphalidae)
PTPsの微細構造の比較研究:コモンマダラ属Tirumalaに潜む生殖隔離機構の可能性
橋本 恵・矢田 脩(九州大学大学院)
(PO-10)
Taxonomic reevaluation of the genus Auzakia Moore, 1898 (Lepidoptera; Nymphalidae; Limenitidinae) --its taxonomic position and classification at species level
ウスグロイチモンジ属Auzakia Moore, 1898 (鱗翅目: タテハチョウ科: イチモンジチョウ亜科)の分類学的再検討 --その分類学的位置と種レベルの分類について
大島康宏・矢田 脩 (九州大学大学院)
(PO-11)
Comparative morphology on the bernardus group of the genus Charaxes in continental areas of Southeast Asia (Lepidoptera: Nymphalidae)
東南アジア大陸部におけるCharaxes属bernardus種群の比較形態学(チョウ目:タテハチョウ科)
勝山礼一朗・矢田 脩 (九州大学大学院)
(PO-12)
Molecular systematics and biogeography of the genus Zizina (Lepidoptera: Lycaenidae)
シルビアシジミ属の分子系統分類と生物地理(鱗翅目:シジミチョウ科)
矢後勝也(東京大学大学院)・平井規央(大阪府立大学大学院)・近藤真理子(東京大学大学院)・谷川哲朗・石井 実(大阪府立大学大学院)・ 王 敏(華南農業大学)・Mark Williams(プレトリア大学)・上島 励(東京大学大学院)
(PO-13)
Skippers of Hainan (Lepidoptera: Hesperiidae)
海南のセセリチョウ
千葉秀幸 (ビショップ博物館)
(PO-14)
Getting involved with CATE
CATEに参加して
Campbell R. Smith[1], Malcolm Scoble[1], Ian Kitching[1], Ben Clark[3],Charles Godfray[3], Simon Mayo[2], Vladimir Blagoderov[1]
[1]Department of Entomology, The Natural History Museum,[2]London;Royal Botanic Gardens Kew,[3]Department of Zoology, University of Oxford
(PO-15)
Research on the butterfly fauna of Phnom Samkos Wildlife Sanctuary, Southwest Cambodia
カンボジア南西部プノン・サンコス野生生物サンクチュアリにおける蝶類調査
小田切顕一(九州大学大学院)・矢後勝也(東京大学大学院)・アレクサンダー L. モナスティルスキー(ベトナム・ロシア熱帯生態学センター)・矢田 脩(九州大学大学院)
(PO-16)
走査型電子顕微鏡によるシロチョウ亜科の発香鱗諸形質について
岩崎 浩明・矢田 脩 (九州大学大学院)
懇親会
日時
2007年12月1日(土)午後6時30分から
場所
ベルクラシック福岡大濠 4階クラージュ
会費
一般5000円、学生3000円
会場案内
九州大学西新プラザ(大会会場)
2F大会議室:TAIIVシンポジウム、特別講演、ポスター会場
2F中会議室:総会
2F多目的室:休憩室
2F小会議室:本部
住所
福岡市早良区西新2-16-23
電話番号
092-831-8104
URL
http://www.kyushu-u.ac.jp/university/institution-use/nishijin/index.htm
交通
地下鉄西新駅7番出口より徒歩10分
西鉄バス西新パレス前より徒歩10分
(六本松からは9・10・15・25番バス)
ベルクラシック福岡大濠(懇親会場)
住所
福岡市中央区大濠1-6-48
電話番号
092-714-1515
URL
http://www.bellclassic.co.jp/fukuoka/index.html
交通
地下鉄唐人町駅より徒歩10分、大濠公園駅より徒歩10分
注1)
大会当日(12月2日)は福岡国際マラソン開催のため、お昼前後を中心に会場周辺の交通規制が実施されるとともに、 市内の交通が大幅に乱れることが予想されますのでご注意ください。
注2)
会場近隣には飲食店やコンビニなどはありません。お弁当の引き渡しは2日の一般講演終了後に受付付近(2階交流ホール)で行います。
注3)
1日午後にはTAIIV(矢田脩九州大学教授が主催される科研費基盤研究「熱帯アジア産昆虫類のインベントリー作成とネットワークの拡大」) シンポジウムが開催され、中国、マレーシア、ベトナム、インドネシアなどアジア各国の研究者による講演(英語)が行われます。 希望される方は自由にご参加下さい。なお、TAIIVシンポジウムの詳細は以下のURLでご覧になれます。
URL: http://www.rc.kyushu-u.ac.jp/~shima/TAIIV2007/top.html
注4)
ポスターはA0サイズ(横84cm 縦119cm)で、掲示準備は2日の午前中から可能です。ポスター会場はTAIIVと一緒に大会議室の後方部分を使用します。
注5)
会場内は禁煙です。喫煙は各階の喫煙コーナーでお願い致します。
注6)
懇親会参加費、ならびにお弁当代(600円)は当日受付でお支払いください。なるべくお釣の必要がないように御用意いただけると幸いです。
日本鱗翅学会九州支部
〒810-8560 福岡市中央区六本松4-2-1
九州大学大学院比較社会文化研究院生物体系学教室
TEL: 092-726-4818
FAX: 092-726-4644
e-mail:odagircb@mbox.nc.kyushu-u.ac.jp
支部幹事 小田切顕一 (090-2967-1288)

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。