シロシモフリエダシャク Biston melacron
(シャクガ科エダシャク亜科)

春の夜、シロシモフリエダシャクの雄がひっそりと街灯に飛来していた。

年に一化、春のみに出現するシャクガで、西日本に分布するが局地的で個体数も多くない。

本種の属するBiston属は灯火に飛来するのは雄ばかりで、雌はのきなみ珍品であるが、本種の雌はとりわけ得難いようで、寄主植物を含め幼生期は一切判明していない。山陰地方は本種が比較的多産し、筆者もこれまで多数の雄を見てきたが、雌には未だに謁見できていない。いつか雌を採集して飼育してみたい蛾の一つである。

撮影データ: 2021年4月14日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 松井 悠樹

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日本鱗翅学会

第四回 里山保全特別講演会

2007年10月 7日公開

第四回 里山保全特別講演会
(公開シンポジウム 『里山の蝶を守る』)

※終了しました。

近畿地方からオオウラギンヒョウモンがほぼ絶滅し、ツマグロキチョウ、クロシジミ、ウラギンスジヒョウモン、 ミヤマチャバネセセリなど多くの蝶が近年著しく減少しています。 今回のシンポジウムでは、近畿地方の2府5県における蝶の生息状況を明らかにすることにより、 里山の蝶に今どのような変化が起こっているかを探ります。また、実際に保全活動を実践しているグループの活動報告を聞き、蝶を守ることについて考えます。

日時・場所
日時
2007年10月7日(日)13:30-17:00
会場
大阪市立自然史博物館 講堂
(博物館南側の通用口よりお入りください。地図は博物館のウェブサイトを参照)
主催
日本鱗翅学会近畿支部・大阪市立自然史博物館
参加費
無料(展示を見る場合には入館料が必要)
プログラム
( )内は報告者
1.近畿地方における蝶の生息状況
福井県(三上秀彦)、滋賀県(南 尊演)、京都府(小野克己)、奈良県(伊藤ふくお)、和歌山県(諏訪隆司)、大阪府(森地重博)、兵庫県(近藤伸一)
2.近畿地方における蝶の保全活動報告
1)大阪府能勢町におけるギフチョウ(能勢のギフチョウを守る会:天満和久)
2)兵庫県ハチ高原におけるウスイロヒョウモンモドキ(兵庫ウスイロヒョウモンモドキを守る会:近藤伸一)

※内容は当日一部変更になる場合もあります。

日本鱗翅学会

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アクア白山ビル5F
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鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。