ヒメクロオビフユナミシャク Operophtera crispifascia
(シャクガ科ナミシャク亜科)

寒冷期に活動するシャクガの仲間、いわゆる冬尺蛾のひとつ。山深いブナ林に生息する。木々の葉が黄色く色付きそして落葉する直前のひと時に限って出現し、同所的に見られる他の冬尺蛾よりも出現時期はやや早い。

冬尺蛾のメスはいずれも翅が縮小あるいは消失しており飛翔能力を持たないが、その中にあって本種のメスは相対的にかなり大きな翅をもつ。オスは低地~山地でよく見られるクロオビフユナミシャクに似る。しかし触角の櫛歯は本種の方がはるかに長く、識別は容易。

ブナの幹に本種のメスがとまっていると、中途半端な大きさの翅が幹表面に接して周囲に馴染み、小さなコブのように見える。コーリング(雌性フェロモンの放出)は午後7時頃に行われ、その時間帯には多数のオスがブナ林内を飛び交う。

撮影データ: 2015年10月17日 八甲田山(青森県)
撮影・文章: 工藤 誠也

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日本鱗翅学会

第四回 里山保全特別講演会

2007年10月 7日公開

第四回 里山保全特別講演会
(公開シンポジウム 『里山の蝶を守る』)

※終了しました。

近畿地方からオオウラギンヒョウモンがほぼ絶滅し、ツマグロキチョウ、クロシジミ、ウラギンスジヒョウモン、 ミヤマチャバネセセリなど多くの蝶が近年著しく減少しています。 今回のシンポジウムでは、近畿地方の2府5県における蝶の生息状況を明らかにすることにより、 里山の蝶に今どのような変化が起こっているかを探ります。また、実際に保全活動を実践しているグループの活動報告を聞き、蝶を守ることについて考えます。

日時・場所
日時
2007年10月7日(日)13:30-17:00
会場
大阪市立自然史博物館 講堂
(博物館南側の通用口よりお入りください。地図は博物館のウェブサイトを参照)
主催
日本鱗翅学会近畿支部・大阪市立自然史博物館
参加費
無料(展示を見る場合には入館料が必要)
プログラム
( )内は報告者
1.近畿地方における蝶の生息状況
福井県(三上秀彦)、滋賀県(南 尊演)、京都府(小野克己)、奈良県(伊藤ふくお)、和歌山県(諏訪隆司)、大阪府(森地重博)、兵庫県(近藤伸一)
2.近畿地方における蝶の保全活動報告
1)大阪府能勢町におけるギフチョウ(能勢のギフチョウを守る会:天満和久)
2)兵庫県ハチ高原におけるウスイロヒョウモンモドキ(兵庫ウスイロヒョウモンモドキを守る会:近藤伸一)

※内容は当日一部変更になる場合もあります。

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
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※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。