マエアカスカシノメイガ Palpita nigropunctalis
(ツトガ科ヒゲナガノメイガ亜科)

夏の暑さが過ぎ、本格的な秋の訪れを感じはじめる9月の早朝に、アベリアの花を訪れたマエアカスカシノメイガを見つけた。

半透明の白い翅と橙色の差し色が美しいガで、早春のまだ寒い時期から灯火やコンビニの灯りに成虫が集まる。幼虫が公園の生け垣や人家に植栽されるネズミモチやライラック、オリーブなど様々なモクセイ科植物を餌としているため、都市から山間部まで広い地域で成虫を目にする。

本種の成虫は真冬以外いつでも見られるような気がするのだが、実は複雑な生活史を持っており、成虫が見られる時期は意外に限られている。幼虫が暑さにも寒さにも弱いのか、あるいは春と秋だけ餌の状態がよいのか、幼虫の生育に適さない時期を休眠してやり過ごすようだ。夏は成虫で、冬は蛹でそれぞれ休眠するらしい(Gotoh et al. 2011, 後藤 2012)。

撮影データ: 2022年9月23日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 中 秀司

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日本鱗翅学会

公開シンポジウム「アサギマダラ移動調査の30年と今後の展望」開催のお知らせ

2007年8月11日公開

※終了しました。

日本鱗翅学会アサギマダラプロジェクトでは、公開シンポジウム「アサギマダラ移動調査の30年と今後の展望」を開催します。 台湾のアサギマダラやマダラチョウ類に関する講演もありますので、多数のご参加をお待ちしております。

主催・共催

主催
日本鱗翅学会アサギマダラプロジェクト
共催
大阪市立自然史博物館・アサギマダラを調べる会

日時・場所

日時
2007年8月11日(土)13:00-16:30
会場
大阪市立自然史博物館講堂
参加
無料。ただし、大阪市立自然史博物館の展示をご覧になる方は、博物館入館料が必要です。
シンポジウムのみに参加される方は、博物館南側通用口からの入場となります。

プログラム

12:30
受付開始
13:00
開会の挨拶
13:05
写真で見るアサギマダラの生態:宮武頼夫
13:30
基調講演「アサギマダラ移動調査の30年」福田晴夫
14:00
Bionomics of the Chestnut Tiger, Parantica sita niponica (Lepidoptera:Nymphalidae: Danainae) in Nanao (Yilan County)
台湾宜蘭市南澳におけるアサギマダラの生活史:李 信徳
14:30
日本周辺におけるアサギマダラの北上移動:金沢 至
15:00
Monitoring the moves of Danaidae at Tatachia Area in Yushan National park
台湾玉山國家公園の塔塔加地區におけるマダラチョウ類の移動のモニタリング:陳 建志
15:30
アサギマダラの移動の意義と保全:藤井 恒
16:00
パネルディスカッション「アサギマダラ調査の今後」
パネラー:福田晴夫・藤井 恒・金沢 至・宮武頼夫・中西元男・李 信徳 ほか
16:25
閉会挨拶
懇親会
終了後の18:00から長居球技場レストラン(2階)で行われます。会費4000円。

お問い合わせ先

シンポジウムの内容などについて
藤井 恒(pen@japan-inter.net)
懇親会の申込み、および会場について
金沢 至(kana@mus-nh.city.osaka.jp、TEL06-6697-6221)

なお、翌日(8月12日)には、滋賀県大津市びわ湖バレイでアサギマダラのマーキング会が予定されています。

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。