ヒメクロオビフユナミシャク Operophtera crispifascia
(シャクガ科ナミシャク亜科)

寒冷期に活動するシャクガの仲間、いわゆる冬尺蛾のひとつ。山深いブナ林に生息する。木々の葉が黄色く色付きそして落葉する直前のひと時に限って出現し、同所的に見られる他の冬尺蛾よりも出現時期はやや早い。

冬尺蛾のメスはいずれも翅が縮小あるいは消失しており飛翔能力を持たないが、その中にあって本種のメスは相対的にかなり大きな翅をもつ。オスは低地~山地でよく見られるクロオビフユナミシャクに似る。しかし触角の櫛歯は本種の方がはるかに長く、識別は容易。

ブナの幹に本種のメスがとまっていると、中途半端な大きさの翅が幹表面に接して周囲に馴染み、小さなコブのように見える。コーリング(雌性フェロモンの放出)は午後7時頃に行われ、その時間帯には多数のオスがブナ林内を飛び交う。

撮影データ: 2015年10月17日 八甲田山(青森県)
撮影・文章: 工藤 誠也

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日本鱗翅学会

公開シンポジウム「アサギマダラ移動調査の30年と今後の展望」開催のお知らせ

2007年8月11日公開

※終了しました。

日本鱗翅学会アサギマダラプロジェクトでは、公開シンポジウム「アサギマダラ移動調査の30年と今後の展望」を開催します。 台湾のアサギマダラやマダラチョウ類に関する講演もありますので、多数のご参加をお待ちしております。

主催・共催

主催
日本鱗翅学会アサギマダラプロジェクト
共催
大阪市立自然史博物館・アサギマダラを調べる会

日時・場所

日時
2007年8月11日(土)13:00-16:30
会場
大阪市立自然史博物館講堂
参加
無料。ただし、大阪市立自然史博物館の展示をご覧になる方は、博物館入館料が必要です。
シンポジウムのみに参加される方は、博物館南側通用口からの入場となります。

プログラム

12:30
受付開始
13:00
開会の挨拶
13:05
写真で見るアサギマダラの生態:宮武頼夫
13:30
基調講演「アサギマダラ移動調査の30年」福田晴夫
14:00
Bionomics of the Chestnut Tiger, Parantica sita niponica (Lepidoptera:Nymphalidae: Danainae) in Nanao (Yilan County)
台湾宜蘭市南澳におけるアサギマダラの生活史:李 信徳
14:30
日本周辺におけるアサギマダラの北上移動:金沢 至
15:00
Monitoring the moves of Danaidae at Tatachia Area in Yushan National park
台湾玉山國家公園の塔塔加地區におけるマダラチョウ類の移動のモニタリング:陳 建志
15:30
アサギマダラの移動の意義と保全:藤井 恒
16:00
パネルディスカッション「アサギマダラ調査の今後」
パネラー:福田晴夫・藤井 恒・金沢 至・宮武頼夫・中西元男・李 信徳 ほか
16:25
閉会挨拶
懇親会
終了後の18:00から長居球技場レストラン(2階)で行われます。会費4000円。

お問い合わせ先

シンポジウムの内容などについて
藤井 恒(pen@japan-inter.net)
懇親会の申込み、および会場について
金沢 至(kana@mus-nh.city.osaka.jp、TEL06-6697-6221)

なお、翌日(8月12日)には、滋賀県大津市びわ湖バレイでアサギマダラのマーキング会が予定されています。

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。