マエアカスカシノメイガ Palpita nigropunctalis
(ツトガ科ヒゲナガノメイガ亜科)

夏の暑さが過ぎ、本格的な秋の訪れを感じはじめる9月の早朝に、アベリアの花を訪れたマエアカスカシノメイガを見つけた。

半透明の白い翅と橙色の差し色が美しいガで、早春のまだ寒い時期から灯火やコンビニの灯りに成虫が集まる。幼虫が公園の生け垣や人家に植栽されるネズミモチやライラック、オリーブなど様々なモクセイ科植物を餌としているため、都市から山間部まで広い地域で成虫を目にする。

本種の成虫は真冬以外いつでも見られるような気がするのだが、実は複雑な生活史を持っており、成虫が見られる時期は意外に限られている。幼虫が暑さにも寒さにも弱いのか、あるいは春と秋だけ餌の状態がよいのか、幼虫の生育に適さない時期を休眠してやり過ごすようだ。夏は成虫で、冬は蛹でそれぞれ休眠するらしい(Gotoh et al. 2011, 後藤 2012)。

撮影データ: 2022年9月23日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 中 秀司

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日本鱗翅学会

日本鱗翅学会東海支部 2006年総会兼第133回例会のご案内

2006年12月 2日公開

非会員参加大歓迎

※終了しました。

日時
2006年12月2日(土)13:00-17:00
場所
名城大学農学部9号館401A教室
名古屋市天白区塩釜口1-501 TEL052-832-1151(代表)
名古屋地下鉄鶴舞線塩釜口1番出口徒歩5分
特別講演:渡辺一雄 氏「ギフチョウは山で何をしているか-その後」
プロフィール
京都大学大学院理学研究科単位修得退学後大阪大学助手、鐘紡(株)研究所勤務、米国 Case Western Reserve大学の客員助教授兼任を経て、広島大学大学院教授となる。 本年定年退職。現在同大名誉教授兼(独)科学技術振興機構・研究開発戦略センター、シニアフェロー。 ギフチョウに関する論文も行動や斑紋、食性など多岐に渡り、今回はホットな話題を提供していただけます。ご期待下さい。
一般講演
高橋真弓:「東北シベリア・(寒さの極)ウスチ・ネラとその付近のチョウ類」
舟橋勝幸:「近年輸入植物検疫で発見された鱗翅目について」
岡本智世・堀江良照・中 秀司・安藤 哲・有田 豊:「コスカシバSynanthedon hectorの配偶行動における色彩情報の役割」

標本展示や文献等の閲覧販売もいたします。お持ち下さい。

当日終了後その場で楽しい懇親会を実施します。

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
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鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。