ヒメクロオビフユナミシャク Operophtera crispifascia
(シャクガ科ナミシャク亜科)

寒冷期に活動するシャクガの仲間、いわゆる冬尺蛾のひとつ。山深いブナ林に生息する。木々の葉が黄色く色付きそして落葉する直前のひと時に限って出現し、同所的に見られる他の冬尺蛾よりも出現時期はやや早い。

冬尺蛾のメスはいずれも翅が縮小あるいは消失しており飛翔能力を持たないが、その中にあって本種のメスは相対的にかなり大きな翅をもつ。オスは低地~山地でよく見られるクロオビフユナミシャクに似る。しかし触角の櫛歯は本種の方がはるかに長く、識別は容易。

ブナの幹に本種のメスがとまっていると、中途半端な大きさの翅が幹表面に接して周囲に馴染み、小さなコブのように見える。コーリング(雌性フェロモンの放出)は午後7時頃に行われ、その時間帯には多数のオスがブナ林内を飛び交う。

撮影データ: 2015年10月17日 八甲田山(青森県)
撮影・文章: 工藤 誠也

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日本鱗翅学会

日本鱗翅学会東海支部 2006年総会兼第133回例会のご案内

2006年12月 2日公開

非会員参加大歓迎

※終了しました。

日時
2006年12月2日(土)13:00-17:00
場所
名城大学農学部9号館401A教室
名古屋市天白区塩釜口1-501 TEL052-832-1151(代表)
名古屋地下鉄鶴舞線塩釜口1番出口徒歩5分
特別講演:渡辺一雄 氏「ギフチョウは山で何をしているか-その後」
プロフィール
京都大学大学院理学研究科単位修得退学後大阪大学助手、鐘紡(株)研究所勤務、米国 Case Western Reserve大学の客員助教授兼任を経て、広島大学大学院教授となる。 本年定年退職。現在同大名誉教授兼(独)科学技術振興機構・研究開発戦略センター、シニアフェロー。 ギフチョウに関する論文も行動や斑紋、食性など多岐に渡り、今回はホットな話題を提供していただけます。ご期待下さい。
一般講演
高橋真弓:「東北シベリア・(寒さの極)ウスチ・ネラとその付近のチョウ類」
舟橋勝幸:「近年輸入植物検疫で発見された鱗翅目について」
岡本智世・堀江良照・中 秀司・安藤 哲・有田 豊:「コスカシバSynanthedon hectorの配偶行動における色彩情報の役割」

標本展示や文献等の閲覧販売もいたします。お持ち下さい。

当日終了後その場で楽しい懇親会を実施します。

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
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鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。