ヒメクロオビフユナミシャク Operophtera crispifascia
(シャクガ科ナミシャク亜科)

寒冷期に活動するシャクガの仲間、いわゆる冬尺蛾のひとつ。山深いブナ林に生息する。木々の葉が黄色く色付きそして落葉する直前のひと時に限って出現し、同所的に見られる他の冬尺蛾よりも出現時期はやや早い。

冬尺蛾のメスはいずれも翅が縮小あるいは消失しており飛翔能力を持たないが、その中にあって本種のメスは相対的にかなり大きな翅をもつ。オスは低地~山地でよく見られるクロオビフユナミシャクに似る。しかし触角の櫛歯は本種の方がはるかに長く、識別は容易。

ブナの幹に本種のメスがとまっていると、中途半端な大きさの翅が幹表面に接して周囲に馴染み、小さなコブのように見える。コーリング(雌性フェロモンの放出)は午後7時頃に行われ、その時間帯には多数のオスがブナ林内を飛び交う。

撮影データ: 2015年10月17日 八甲田山(青森県)
撮影・文章: 工藤 誠也

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日本鱗翅学会

八ヶ岳総合博物館 特別展「八ヶ岳の蝶たち(仮称)」への協力(信越支部)

2006年7月26日公開

※終了しました。

信州にはたくさんのチョウたちがくらしています。なかでも八ヶ岳にくらすタカネヒカゲやミヤマシロチョウは、従来の天然記念物としての保護に加え、 新たに長野県希少野生動植物保護条例でも、保護されようとしています。

このように保護の気運の高まるなか、長野県に生息しているチョウ約150種を八ヶ岳や霧ヶ峰を中心に、 標本、写真やビデオフィルム、パネルなど様々な方法でその紹介します。 また、「チョウとガの違い」「渡りをするチョウ」「少なくなってしまったチョウ」などの改めてチョウを知るコーナーも作り、 チョウに対する理解を進める展示会ともします。

なお、期間中には、講演会や自然観察会も開催します。さらに、展示会の始まる前からも、展示会を盛り上げる意味で自然観察会を開催します。

平成18年度 特別展「八ヶ岳の蝶たち(仮称)」

主催
八ケ岳総合博物館
協力
日本鱗翅学会、松本むしの会
期間
2006年年7月26日(水)から10月1日(日)
関連イベント「チョウの舞う庭づくり~バタフライガーデン~」
7月29日(土)午後1時30分から
講師:日本鱗翅学会理事 田下昌志さん
講演会「八ヶ岳の蝶たち」
9月10日(日)午後1時30分から
講師:長野県自然観察インストラクター 浜栄一さん
自然観察会
プレイベント「ヒメギフチョウ」5月3日(水)
プレイベント「ミドリシジミ」6月25日(日)
プレイベント「ミヤマシロチョウ」7月22日(土)
プレイベント「ベニヒカゲ」8月5日(土)
プレイベント「アサギマダラ」9月3日(日)
展示解説
8月1日(火)・8月26日(土)
問合せ先:大谷勝己 (Katumi Otani)
八ヶ岳総合博物館 〒391-0213 長野県茅野市豊平6983
TEL:0266-73-0300
FAX:0266-72-6119

日本鱗翅学会

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鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。