マエアカスカシノメイガ Palpita nigropunctalis
(ツトガ科ヒゲナガノメイガ亜科)

夏の暑さが過ぎ、本格的な秋の訪れを感じはじめる9月の早朝に、アベリアの花を訪れたマエアカスカシノメイガを見つけた。

半透明の白い翅と橙色の差し色が美しいガで、早春のまだ寒い時期から灯火やコンビニの灯りに成虫が集まる。幼虫が公園の生け垣や人家に植栽されるネズミモチやライラック、オリーブなど様々なモクセイ科植物を餌としているため、都市から山間部まで広い地域で成虫を目にする。

本種の成虫は真冬以外いつでも見られるような気がするのだが、実は複雑な生活史を持っており、成虫が見られる時期は意外に限られている。幼虫が暑さにも寒さにも弱いのか、あるいは春と秋だけ餌の状態がよいのか、幼虫の生育に適さない時期を休眠してやり過ごすようだ。夏は成虫で、冬は蛹でそれぞれ休眠するらしい(Gotoh et al. 2011, 後藤 2012)。

撮影データ: 2022年9月23日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 中 秀司

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日本鱗翅学会

第132回日本鱗翅学会近畿支部例会のご案内

2006年5月14日公開

※終了しました。

下記のとおり第132回例会を開催しますので、多数の方のご参加をお願い申し上げます。会員以外の方のご参加も歓迎します。

日時
2006年5月14日(日)13:30-17:00
会場
大阪市立自然史博物館(ホームページへ)
(長居公園内裏門から入場してください。)
懇親会
例会終了後に懇親会を開催します。参加ご希望の方は5月12日までに寺本(teramot@mb.infoweb.ne.jp)までご連絡ください。
プログラム
エゾスジグロシロチョウの和名の由来 松田 真平(大阪府)
蝶(シロチョウ科)の翅の構造 ○棚橋 一郎・秋田 将哉・榎本 将典 (大工大・工)
大和葛城山のギフチョウについて 渡辺 康之 (尼崎市)
スターフルーツを加害するトリバガ科の1種 吉安 裕 (京都府大・大学院・昆虫)
トベラササベリガの幼生期について 村瀬 ますみ (和歌山市)
緒方先生の思い出の蝶と蛾-(緒方コレクションの中間報告) ○木下 總一郎・山本 博子 (摂南市)
幼虫の永久プレパラート標本の作製方法について 寺本 憲之 (滋賀県)
お問い合わせ
日本鱗翅学会近畿支部幹事長:寺本 憲之
〒521-1322滋賀県蒲生郡安土町宮津1-55
TEL:0748-46-4867
FAX:0748-46-4011
e-mail:teramot@mb.infoweb.ne.jp

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鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。