ヒメクロオビフユナミシャク Operophtera crispifascia
(シャクガ科ナミシャク亜科)

寒冷期に活動するシャクガの仲間、いわゆる冬尺蛾のひとつ。山深いブナ林に生息する。木々の葉が黄色く色付きそして落葉する直前のひと時に限って出現し、同所的に見られる他の冬尺蛾よりも出現時期はやや早い。

冬尺蛾のメスはいずれも翅が縮小あるいは消失しており飛翔能力を持たないが、その中にあって本種のメスは相対的にかなり大きな翅をもつ。オスは低地~山地でよく見られるクロオビフユナミシャクに似る。しかし触角の櫛歯は本種の方がはるかに長く、識別は容易。

ブナの幹に本種のメスがとまっていると、中途半端な大きさの翅が幹表面に接して周囲に馴染み、小さなコブのように見える。コーリング(雌性フェロモンの放出)は午後7時頃に行われ、その時間帯には多数のオスがブナ林内を飛び交う。

撮影データ: 2015年10月17日 八甲田山(青森県)
撮影・文章: 工藤 誠也

閉じる

日本鱗翅学会

日本鱗翅学会東海支部2005年総会兼第130回例会のご案内

2005年12月 3日公開

《一般参加歓迎》

※終了しました。

日時
2005年12月3日(土)13:00-17:00
場所
名城大学タワー75:15Fレセプションホール
名古屋市天白区塩釜口1-501
Tel. 052-832-1151(代表)
名古屋地下鉄鶴舞線塩釜口1番出口徒歩5分
参加費
500円

特別講演:本田計一氏「チョウの食草選び-母と子と植物の言い分」

プロフィール
京都大学工学部大学院終了後鐘紡(株)研究所勤務。現在広島大学総合科学部教授(理学博士)で、米国コーネル大学生態進化生物学科の客員教授を歴任。 研究テーマ:鱗翅目昆虫の寄主選択・化学防御・採餌・配偶・休眠などについての化学生態学、生理化学。

一般講演
西原かよ子:「矢田川河川敷の鱗翅類」
波平和也:「温度変化によるナガサキアゲハのメスの白紋の出現状況」
高橋真弓:「東シベリア・マンモスの国のチョウと自然」
間野隆裕:「豊田市都心部において糖蜜で誘引されたガ類群集」

標本展示や文献等の閲覧販売もいたします。お持ち下さい。

当日終了後その場で楽しい懇親会を実施します。

事務局
間野隆裕 海部郡美和町蜂須賀花木前1-33 〒490-1225
TEL(FAX).052-442-1503
e-mail:manotaka@muj.biglobe.ne.jp

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。