シロシモフリエダシャク Biston melacron
(シャクガ科エダシャク亜科)

春の夜、シロシモフリエダシャクの雄がひっそりと街灯に飛来していた。

年に一化、春のみに出現するシャクガで、西日本に分布するが局地的で個体数も多くない。

本種の属するBiston属は灯火に飛来するのは雄ばかりで、雌はのきなみ珍品であるが、本種の雌はとりわけ得難いようで、寄主植物を含め幼生期は一切判明していない。山陰地方は本種が比較的多産し、筆者もこれまで多数の雄を見てきたが、雌には未だに謁見できていない。いつか雌を採集して飼育してみたい蛾の一つである。

撮影データ: 2021年4月14日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 松井 悠樹

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日本鱗翅学会

日本鱗翅学会第52回大会(藤沢大会)プログラム

2005年11月12日公開

*プログラムは9月時点のものです。一部変更する場合もありますので、ご承知おき下さい。

大会1日目:2005年11月12日(土)

12:00 受付開始
13:00-17:30 一般講演(101から105)
13:00-13:15 大会長挨拶、会長挨拶、事務連絡
13:15-13:30 101 ゼフィルス二種のホロタイプ標本調査/上田恭一郎・小岩屋敏(九州)
13:30-13:45 102 モンキチョウとミカドアゲハの産卵:母親は同じものをみている!?/本田計一・中山忠宣・大村尚・牟田賢一郎(中国)
13:45-14:00 103 ナミアゲハにおける蛹の色彩決定に関与する環境要因の解析/平賀壯太(近畿)
14:00-14:15 104 キタキチョウ(新称)Eurema sp.の提唱:日本南西部及び台湾におけるキチョウ2型の分布調査とその分類学的検討から/加藤義臣(関東)・矢田脩(九州)
14:15-14:30 105 豊田市都市部において糖蜜で誘引されたガ類群集/間野隆裕(東海)
14:30-15:00 記念写真撮影
15:00-17:30 シンボジウム「南関東における蝶の盛衰の現状と今後の課題」
神奈川県で増えている南方系蝶類/岸 一弘
神奈川県から消えゆく蝶たち/美ノ谷憲久
東京都における蝶の盛衰分析/倉地 正
房総半島の蝶相の現状と将来を考える/岩阪佳和
横浜市の蝶相の変遷・その後/中村進一
移入種アカボシゴマダラの分布の現状/菅井忠雄
17:45-20:00 懇親会

大会2日目:11月13日(日)

9:30-10:00 日本鱗翅学会総会
10:00-12:00 一般講演(201から207)
10:00-10:15 201 ベニヒカゲ(Erebia niphonica)個体群の遺伝的多様性について/中谷貴壽(関東)・上田昇平・田下昌志・福本匡志・丸山潔・宇佐美真一・伊藤建夫
10:15-10:30 202 タカネヒカゲ(Oeneis)属の分子系統解析/宇佐美真一(信越)・上田昇平・中谷貴壽・伊藤建夫・岩本吉也
10:30-10:45 203 マダラチョウ類の分子系統と移動/新川勉(関東)・金沢至・村上豊・福田晴夫・宮武頼夫・石川統
10:45-11:00 204 DNAからチョウ類の昼行性⇔夜行性の進化を探る-二門亜目の系統関係とシャクガモドキ上科の系統的位置から-/矢後勝也(関東)・新川勉(関東)・間野隆裕(東海)・上田恭一郎(九州)・渡辺康之(近畿)・上島励
11:00-11:15 休憩
11:15-11:30 205 シャチホコガStauropus fagiの寄主植物の広がり/中臣謙太郎(関東)
11:30-11:45 206 ツマグロヒョウモンの北上の原因を探る/津吹卓(関東)
11:45-12:00 207 見沼たんぼにおける16年間の蝶相の変化/巣瀬司(関東)
12:00-13:00 ポスター発表コアタイム・各種委員会(公開)
13:00-13:40 特別講演(福田晴夫氏)「戦後アマチュア蝶学の過去・現在・未来-日本鱗翅学会創立60周年によせて」
14:00-16:30 一般講演(208- 215)
14:00-14:15 208 寒冷地におけるアサギマダラの蛹越冬/伊奈紘(東海)
14:15-14:30 209 山陰地方におけるルリシジミ属2種の生活史/米山沙希・星川和夫(中国)
14:30-14:45 210 Fentonとギフチョウ発見史/中村和夫(関東)
14:45-15:00 211 ウスバシロチョウの繭からの脱出について/寺章夫(関東)
15:00-15:15 休憩
15:15-15:30 212 絶滅に瀕するチョウ類保全の現状と課題/中村康弘(東海)
15:30-15:45 213 長野県の高山から平地にかけてのチョウ群集のモニタリング/田下昌志・丸山潔・福本匡志・(信越)
15:45-16:00 214 絶滅危惧種ミヤマシジミの保全に関する基礎的研究2-2. 成虫と幼生の分布からみた個体群構造について(その2)/渡邊通人(関東)
16:00-16:15 215 市街地緑地のチョウは年のどこまで供給されるか?/田口正男・細井潔・田口仁志・西村健一郎・田口方紀(関東)

ポスター発表(P-1からP-5)(本館4階ロビー)

11月12日 13:00-11月13日 14:00(コアタイム:11月13日 12:00-13:00)
P-1 都市公園内につくられたチョウ類の生息地で目撃されたチョウとアゲハチョウの食草選好性について/瀬田和明・川中智子・山坂延央・伊藤隆史(関東)
P-2 蛾類幼虫百態(5)エゴノキ、カキノキ、ハイノキ、ツバキ各科を寄主植物とする蛾類/中臣謙太郎・横田光邦(関東)
P-3 恩原高原のウスイロヒョウモンモドキ-その調査と保護活動-(2)-岡山県恩原高原ウスイロヒョウモンモドキ特別委員会活動-/難波通孝(中国)
P-4 奄美大島に侵入したクロボシセセリの現状/金井賢一(九州)
P-5 ヤママユガ科ガ類の植物別にみた出現頻度/城本啓子・桜谷保之(近畿)

各種委員会

11月13日 12:00-13:00(公開)
自然保護委員会(会場:12号館・実験室A)
アサギマダラプロジェクト(会場:12号館・実験室B)

特別展「日本鱗翅学会60年回顧展」(本館4階ロビー)

11月12日 13:00-11月13日 14:00

様々な資料を通して鱗翅学会の歩みを振り返ります(資料提供:林 久男氏)

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。