マエアカスカシノメイガ Palpita nigropunctalis
(ツトガ科ヒゲナガノメイガ亜科)

夏の暑さが過ぎ、本格的な秋の訪れを感じはじめる9月の早朝に、アベリアの花を訪れたマエアカスカシノメイガを見つけた。

半透明の白い翅と橙色の差し色が美しいガで、早春のまだ寒い時期から灯火やコンビニの灯りに成虫が集まる。幼虫が公園の生け垣や人家に植栽されるネズミモチやライラック、オリーブなど様々なモクセイ科植物を餌としているため、都市から山間部まで広い地域で成虫を目にする。

本種の成虫は真冬以外いつでも見られるような気がするのだが、実は複雑な生活史を持っており、成虫が見られる時期は意外に限られている。幼虫が暑さにも寒さにも弱いのか、あるいは春と秋だけ餌の状態がよいのか、幼虫の生育に適さない時期を休眠してやり過ごすようだ。夏は成虫で、冬は蛹でそれぞれ休眠するらしい(Gotoh et al. 2011, 後藤 2012)。

撮影データ: 2022年9月23日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 中 秀司

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日本鱗翅学会

恩原高原のウスイロヒョウモンモドキ-その調査と保護活動(2)

2005年11月 3日公開

2005年の報告書(2)
頒布価格無料 (送料460円をご負担ください)
A4判、カラー64頁、モノクロ34頁
2005年11月3日発行、印刷部数800冊
主な内容
I. 写真の記録生態ほか 7~40頁
II. 調査結果に関わる写真・グラフ・図表 41~64頁
III. 調査結果 65~72頁
IV. 資料編 73~92頁
V. 展望と課題 93~95頁
恩原高原のウスイロヒョウモンモドキ-その調査と保護活動(2): 表紙

(お願い) 委員会の活動費として、一口千円でカンパを募っています。ご協力をお願いいたします。

申込先

恩原高原ウスイロ委員会宛に、お問い合わせメールフォームより、送り先の住所・氏名・電話番号をお送り下さい。報告書は振込用紙を同封してお送りいたします。

岡山県恩原高原ウスイロヒョウモンモドキ特別委員会

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鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。