ヒメクロオビフユナミシャク Operophtera crispifascia
(シャクガ科ナミシャク亜科)

寒冷期に活動するシャクガの仲間、いわゆる冬尺蛾のひとつ。山深いブナ林に生息する。木々の葉が黄色く色付きそして落葉する直前のひと時に限って出現し、同所的に見られる他の冬尺蛾よりも出現時期はやや早い。

冬尺蛾のメスはいずれも翅が縮小あるいは消失しており飛翔能力を持たないが、その中にあって本種のメスは相対的にかなり大きな翅をもつ。オスは低地~山地でよく見られるクロオビフユナミシャクに似る。しかし触角の櫛歯は本種の方がはるかに長く、識別は容易。

ブナの幹に本種のメスがとまっていると、中途半端な大きさの翅が幹表面に接して周囲に馴染み、小さなコブのように見える。コーリング(雌性フェロモンの放出)は午後7時頃に行われ、その時間帯には多数のオスがブナ林内を飛び交う。

撮影データ: 2015年10月17日 八甲田山(青森県)
撮影・文章: 工藤 誠也

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日本鱗翅学会

第130回日本鱗翅学会近畿支部例会のご案内

2005年5月22日公開

※終了しました。

下記のとおり第130回例会を開催しますので、多数の方のご参加をお願い申し上げます。会員以外の方のご参加も歓迎します。

日時
2005年5月22日(日)13:30-17:00
会場
大阪市立自然史博物館(長居公園内;裏門から入場してください)
懇親会
例会終了後に懇親会を開催します。会費は5,000円です。

講演題目:(12:30から役員会を開催します)

1. 滋賀県版レッドデータブック鱗翅類の改訂について
南 尊演(滋賀県立八幡高等学校)
2.チョウ類の生物多様性保全をめぐる環境省等の動向-外来生物法の施行、RDBの第2次見直し、自然公園法の改正など-
石井 実(大阪府大・生命環境)
3.大台ヶ原のガ類群集を利用した森林環境評価
立岩邦敏 他(大阪府大)
4.挺水植物を寄主とする蛾類
吉安 裕(京都府大)
5.幼虫がタデ科植物に潜るツヤコガ
李 峰雨・広渡俊哉(大阪府大)、黒子 浩(阪南市)
6.ブナ科植物寄主とする不思議な形態を有する幼虫
寺本憲之(滋賀県)

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鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。