ヒメクロオビフユナミシャク Operophtera crispifascia
(シャクガ科ナミシャク亜科)

寒冷期に活動するシャクガの仲間、いわゆる冬尺蛾のひとつ。山深いブナ林に生息する。木々の葉が黄色く色付きそして落葉する直前のひと時に限って出現し、同所的に見られる他の冬尺蛾よりも出現時期はやや早い。

冬尺蛾のメスはいずれも翅が縮小あるいは消失しており飛翔能力を持たないが、その中にあって本種のメスは相対的にかなり大きな翅をもつ。オスは低地~山地でよく見られるクロオビフユナミシャクに似る。しかし触角の櫛歯は本種の方がはるかに長く、識別は容易。

ブナの幹に本種のメスがとまっていると、中途半端な大きさの翅が幹表面に接して周囲に馴染み、小さなコブのように見える。コーリング(雌性フェロモンの放出)は午後7時頃に行われ、その時間帯には多数のオスがブナ林内を飛び交う。

撮影データ: 2015年10月17日 八甲田山(青森県)
撮影・文章: 工藤 誠也

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日本鱗翅学会

アサギマダラの故郷(台湾陽明山)をたずねて、マダラチョウ類のマーキング調査に参加しよう!

2005年5月13日公開

※終了しました。

台湾の台北市北部に位置する陽明山国家公園で開催される胡蝶祭(バタフライ・フェスティバル)に参加して、 あなたもマダラチョウ類のマーキングに挑戦しませんか。

アサギマダラは日本と台湾を往復する「旅をする蝶」として有名です。 陽明山でマークをつけられたアサギマダラが、日本へ3頭も飛来しました。 日本でマークされたアサギマダラ1頭が陽明山で発見されたこともあります。 台湾の陽明山は日本のアサギマダラの故郷といえるでしょう。

その陽明山国家公園の山開きをかねる「胡蝶祭」が5月14日(土)・15日 (日)に開催されます。 その際にアサギマダラをはじめとするマダラチョウ類全種のマーキングができることになりました。 陽明山国家公園は特別に保護された地域ですから、蝶の捕獲が禁止されています。今回はマーキングに対する国家公園の特別な許可がおりました。

アサギマダラに詳しい者二人が同行し、マーキングの手ほどきをします。 また、セミナー(シンポジウム?、要項未定)も開催する計画がありますので、アサギマダラを知らないマーキング初心者でも参加できます。

関西以外の地域からでも参加できますし、オプションで滞在をのばすこともできます。費用やフライトプランについては、末尾の旅行社へお問い合わせ下さい。

日程
2005年5月13日(金)午前から5月17日(火)夕方の5日間
費用
約10万円(関西空港発着で20名以上の場合。参加者数や出発空港によって旅行費用は変わります)
主催
日本鱗翅学会アサギマダラプロジェクト・アサギマダラを調べる会
協力
陽明山国家公園・国立台湾大学・日本鱗翅学会
同行者
福田晴夫氏(元日本蝶類学会会長)・金沢 至氏(アサギマダラを調べる会)
スケジュール(予定):あくまで予定で、宿泊地は陽明山の可能性もあります。
5月13日(金) 午前11:15発(関西空港)、台北泊
14-15日 胡蝶祭参加・マーキング(陽明山)、台北泊
16日(月) 台北観光・ショッピング、セミナー参加、、台北泊
17日(火) 自由行動、午後16:05発(台北中正空港)→関西空港

日本鱗翅学会

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鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。