マエアカスカシノメイガ Palpita nigropunctalis
(ツトガ科ヒゲナガノメイガ亜科)

夏の暑さが過ぎ、本格的な秋の訪れを感じはじめる9月の早朝に、アベリアの花を訪れたマエアカスカシノメイガを見つけた。

半透明の白い翅と橙色の差し色が美しいガで、早春のまだ寒い時期から灯火やコンビニの灯りに成虫が集まる。幼虫が公園の生け垣や人家に植栽されるネズミモチやライラック、オリーブなど様々なモクセイ科植物を餌としているため、都市から山間部まで広い地域で成虫を目にする。

本種の成虫は真冬以外いつでも見られるような気がするのだが、実は複雑な生活史を持っており、成虫が見られる時期は意外に限られている。幼虫が暑さにも寒さにも弱いのか、あるいは春と秋だけ餌の状態がよいのか、幼虫の生育に適さない時期を休眠してやり過ごすようだ。夏は成虫で、冬は蛹でそれぞれ休眠するらしい(Gotoh et al. 2011, 後藤 2012)。

撮影データ: 2022年9月23日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 中 秀司

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日本鱗翅学会

関東支部「秋の集い」2003年

2003年10月18日公開

※終了しました。

吹く風に秋の爽やかさを感じる候になりました。 さて、恒例となりました「秋の集い」を開催いたしますので、ご案内申し上げます。 今回は、一般講演の他、当関東支部・つくば昆虫談話会との共催による「茨城県特集」を計画しました。 皆様、どうかお気軽にご参加ください。会員でなくても参加可能です。

日時
2003年10月18日(土)1:00-5:00 p.m.(開場 12:30)
会場
「清水とき きもの学園8階記念ホール」(志賀昆虫普及社そばの交叉点から児童会館方面に120m)
参加費
1,000円(会場費・要旨代を含む)
懇親会
「セピア」会費4000円(会場でご案内します)

プログラム

一般講演
瀬田和明「リュウキュウムラサキの飼育と生態展示」
三橋 渡「リュウキュウムラサキ単性系に関する研究の過去と現在
茨城県特集
山本勝利「茨城県南西部の谷津環境におけるチョウ類の分布-オオミドリシジミを中心に-」
川辺愛徳「茨城県のゼフィルス」
植村好延「ウラナミジャノメの地理的変異」
一般講演
猪又敏男「ヒメシロチョウの変異」
中臣謙太郎「シャチホコガ科寄主植物の相関関係(1)ツバキを食うかホソバネグロ」
新川 勉・延 栄一「遺伝子が証すウラギンヒョウモン類の系統」
加藤義臣・坂倉文人「タイワンキチョウ幼虫の集合的採餌行動」
企画・運営
日本鱗翅学会関東支部幹事会
担当評議員
岩野秀俊・矢野高広・仁坂吉伸・倉地正・三橋渡・大塚市郎・瀬田和明・小堀文彦
幹事
石川和宏・神部正博・利根川雅実・長畑直和・諸星重

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
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※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。