ヒメクロオビフユナミシャク Operophtera crispifascia
(シャクガ科ナミシャク亜科)

寒冷期に活動するシャクガの仲間、いわゆる冬尺蛾のひとつ。山深いブナ林に生息する。木々の葉が黄色く色付きそして落葉する直前のひと時に限って出現し、同所的に見られる他の冬尺蛾よりも出現時期はやや早い。

冬尺蛾のメスはいずれも翅が縮小あるいは消失しており飛翔能力を持たないが、その中にあって本種のメスは相対的にかなり大きな翅をもつ。オスは低地~山地でよく見られるクロオビフユナミシャクに似る。しかし触角の櫛歯は本種の方がはるかに長く、識別は容易。

ブナの幹に本種のメスがとまっていると、中途半端な大きさの翅が幹表面に接して周囲に馴染み、小さなコブのように見える。コーリング(雌性フェロモンの放出)は午後7時頃に行われ、その時間帯には多数のオスがブナ林内を飛び交う。

撮影データ: 2015年10月17日 八甲田山(青森県)
撮影・文章: 工藤 誠也

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日本鱗翅学会

関東支部「秋の集い」2003年

2003年10月18日公開

※終了しました。

吹く風に秋の爽やかさを感じる候になりました。 さて、恒例となりました「秋の集い」を開催いたしますので、ご案内申し上げます。 今回は、一般講演の他、当関東支部・つくば昆虫談話会との共催による「茨城県特集」を計画しました。 皆様、どうかお気軽にご参加ください。会員でなくても参加可能です。

日時
2003年10月18日(土)1:00-5:00 p.m.(開場 12:30)
会場
「清水とき きもの学園8階記念ホール」(志賀昆虫普及社そばの交叉点から児童会館方面に120m)
参加費
1,000円(会場費・要旨代を含む)
懇親会
「セピア」会費4000円(会場でご案内します)

プログラム

一般講演
瀬田和明「リュウキュウムラサキの飼育と生態展示」
三橋 渡「リュウキュウムラサキ単性系に関する研究の過去と現在
茨城県特集
山本勝利「茨城県南西部の谷津環境におけるチョウ類の分布-オオミドリシジミを中心に-」
川辺愛徳「茨城県のゼフィルス」
植村好延「ウラナミジャノメの地理的変異」
一般講演
猪又敏男「ヒメシロチョウの変異」
中臣謙太郎「シャチホコガ科寄主植物の相関関係(1)ツバキを食うかホソバネグロ」
新川 勉・延 栄一「遺伝子が証すウラギンヒョウモン類の系統」
加藤義臣・坂倉文人「タイワンキチョウ幼虫の集合的採餌行動」
企画・運営
日本鱗翅学会関東支部幹事会
担当評議員
岩野秀俊・矢野高広・仁坂吉伸・倉地正・三橋渡・大塚市郎・瀬田和明・小堀文彦
幹事
石川和宏・神部正博・利根川雅実・長畑直和・諸星重

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。