ヒメクロオビフユナミシャク Operophtera crispifascia
(シャクガ科ナミシャク亜科)

寒冷期に活動するシャクガの仲間、いわゆる冬尺蛾のひとつ。山深いブナ林に生息する。木々の葉が黄色く色付きそして落葉する直前のひと時に限って出現し、同所的に見られる他の冬尺蛾よりも出現時期はやや早い。

冬尺蛾のメスはいずれも翅が縮小あるいは消失しており飛翔能力を持たないが、その中にあって本種のメスは相対的にかなり大きな翅をもつ。オスは低地~山地でよく見られるクロオビフユナミシャクに似る。しかし触角の櫛歯は本種の方がはるかに長く、識別は容易。

ブナの幹に本種のメスがとまっていると、中途半端な大きさの翅が幹表面に接して周囲に馴染み、小さなコブのように見える。コーリング(雌性フェロモンの放出)は午後7時頃に行われ、その時間帯には多数のオスがブナ林内を飛び交う。

撮影データ: 2015年10月17日 八甲田山(青森県)
撮影・文章: 工藤 誠也

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日本鱗翅学会

第7回日本鱗翅学会自然保護セミナー開催予告

2003年8月 2日公開

第7回日本鱗翅学会自然保護セミナー「日本産チョウ類の生息と保護の現状」

最近は学校教育にも取り入れられている放蝶について、日本鱗翅学会会員による実践的な保護活動事例・科学的検証に基づく放蝶の効果などの発表を予定しています。 今回のテーマで放蝶の是非を問うのではなく、日本産蝶類の将来を見据えて放蝶の方向性を探っていきます。

場所
静岡県総合社会福祉会館(7階ホール)
静岡市駿府町 1-70
電話: 054-254-5221
交通
バス利用の場合: 静岡県北口のりば1・2・3番へ「市民文化会館前」下車徒歩約2分
徒歩の場合: 静岡駅から約15分
日時
2003年8月2日(土)~3日(日)
主催
日本鱗翅学会自然保護委員会・静岡昆虫同好会
(後援: 静岡県教育委員会・静岡県自然保護室・静岡SBS放送・静岡新聞社)

問い合わせ先

〒337-0975

さいたま市代山 172

シラサギ記念自然史博物館内

巣瀬 司(日本鱗翅学会自然保護委員会委員長)

TEL:048-878-0500
FAX:048-878-3335

プログラム案
平成15年8月2日(土) 14:00開会
基調講演1. チョウ類保全の現状と将来 (中村 康弘)
基調講演2. チョウ類のモニタリングについて 2題 (石井 実・宮田 彬)
(一日目終了後、静岡駅前松坂屋にて懇親会を予定しています)
平成15年8月3日(日) 9:30開演
(午前)基調講演3.最近の放蝶問題と実践的な保全活動について
桜谷 保之・菅野 格朗「京都府木津川堤防に置けるホソオアゲハの生態」
小林 隆人「放蝶はオオムラサキの保護活動にとって有効か」
中村 康弘・岩見 潤治・鎌田 邦彦・宮崎 由佳・池尻 誠三・新谷 隆之・中元 實
「広島県世羅・賀茂台地におけるヒョウモンモドキの保全活動」
(午後)基調講演4 静岡県のチョウ類の衰亡と保護の状況
高橋 真弓「静岡県内の蝶類の存亡と保護の状況」
諏訪 哲夫「静岡県蝶類レッドリストについて」
清 邦彦「富士山麓における草原性蝶類の衰亡」
セミナー声明発表
15:00閉会

このほか、小会議室で静岡県の保護すべき蝶類標本展示などを予定。

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。