ヒメクロオビフユナミシャク Operophtera crispifascia
(シャクガ科ナミシャク亜科)

寒冷期に活動するシャクガの仲間、いわゆる冬尺蛾のひとつ。山深いブナ林に生息する。木々の葉が黄色く色付きそして落葉する直前のひと時に限って出現し、同所的に見られる他の冬尺蛾よりも出現時期はやや早い。

冬尺蛾のメスはいずれも翅が縮小あるいは消失しており飛翔能力を持たないが、その中にあって本種のメスは相対的にかなり大きな翅をもつ。オスは低地~山地でよく見られるクロオビフユナミシャクに似る。しかし触角の櫛歯は本種の方がはるかに長く、識別は容易。

ブナの幹に本種のメスがとまっていると、中途半端な大きさの翅が幹表面に接して周囲に馴染み、小さなコブのように見える。コーリング(雌性フェロモンの放出)は午後7時頃に行われ、その時間帯には多数のオスがブナ林内を飛び交う。

撮影データ: 2015年10月17日 八甲田山(青森県)
撮影・文章: 工藤 誠也

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日本鱗翅学会

関東支部「春の集い」2003年

2003年3月15日公開

※終了しました。

日増しに春の暖かさを感じる候になりました。 さて、恒例となりました「春の集い」を開催いたしますので、ご案内申し上げます。 皆様、どうかお気軽にご参加ください。会員でなくても参加可能です。

日時
2003年3月15日(土)13:30-15:00(開場12:30)
会場
「清水とき きもの学園」(志賀昆虫普及社そばの交叉点から児童会館方面に120m)
参加費
1,000円(会場費・要旨代を含む)
懇親会
「セピア」会費4000円(会場でご案内します)
プログラム
瀬田和明「足立区元渕江公園のチョウ」
大島良美「成虫越冬中のチョウ6種」
中臣謙太郎「ハンノキ林での昆虫4種の闘い」
菅井忠雄・中村進一「神奈川県におけるアカボシゴマダラの発生」
浅野勝司「アカボシゴマダラ幼虫の野外における越冬状況観察(中間報告)」
橋本健一「モンシロチョウの光周反応の地理的変異」
新川 勉・美ノ谷憲久・福田晴男・岩野秀俊・近藤喜代太郎「Neptis属の分子系統」
加藤義臣・吉岡泰子「アオスジアゲハ雄の配偶行動における視覚刺激の役割」
井上 尚「アゲハは口で味をみる」
企画・運営
日本鱗翅学会関東支部幹事会
担当評議員
岩野秀俊・矢野高広・仁坂吉伸・倉地正・三橋渡・大塚市郎・瀬田和明・小堀文彦
幹事
石川和宏・神部正博・利根川雅実・長畑直和・諸星重明

日本鱗翅学会

〒113-0001
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鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。