マエアカスカシノメイガ Palpita nigropunctalis
(ツトガ科ヒゲナガノメイガ亜科)

夏の暑さが過ぎ、本格的な秋の訪れを感じはじめる9月の早朝に、アベリアの花を訪れたマエアカスカシノメイガを見つけた。

半透明の白い翅と橙色の差し色が美しいガで、早春のまだ寒い時期から灯火やコンビニの灯りに成虫が集まる。幼虫が公園の生け垣や人家に植栽されるネズミモチやライラック、オリーブなど様々なモクセイ科植物を餌としているため、都市から山間部まで広い地域で成虫を目にする。

本種の成虫は真冬以外いつでも見られるような気がするのだが、実は複雑な生活史を持っており、成虫が見られる時期は意外に限られている。幼虫が暑さにも寒さにも弱いのか、あるいは春と秋だけ餌の状態がよいのか、幼虫の生育に適さない時期を休眠してやり過ごすようだ。夏は成虫で、冬は蛹でそれぞれ休眠するらしい(Gotoh et al. 2011, 後藤 2012)。

撮影データ: 2022年9月23日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 中 秀司

閉じる

日本鱗翅学会

関東支部「春の集い」2003年

2003年3月15日公開

※終了しました。

日増しに春の暖かさを感じる候になりました。 さて、恒例となりました「春の集い」を開催いたしますので、ご案内申し上げます。 皆様、どうかお気軽にご参加ください。会員でなくても参加可能です。

日時
2003年3月15日(土)13:30-15:00(開場12:30)
会場
「清水とき きもの学園」(志賀昆虫普及社そばの交叉点から児童会館方面に120m)
参加費
1,000円(会場費・要旨代を含む)
懇親会
「セピア」会費4000円(会場でご案内します)
プログラム
瀬田和明「足立区元渕江公園のチョウ」
大島良美「成虫越冬中のチョウ6種」
中臣謙太郎「ハンノキ林での昆虫4種の闘い」
菅井忠雄・中村進一「神奈川県におけるアカボシゴマダラの発生」
浅野勝司「アカボシゴマダラ幼虫の野外における越冬状況観察(中間報告)」
橋本健一「モンシロチョウの光周反応の地理的変異」
新川 勉・美ノ谷憲久・福田晴男・岩野秀俊・近藤喜代太郎「Neptis属の分子系統」
加藤義臣・吉岡泰子「アオスジアゲハ雄の配偶行動における視覚刺激の役割」
井上 尚「アゲハは口で味をみる」
企画・運営
日本鱗翅学会関東支部幹事会
担当評議員
岩野秀俊・矢野高広・仁坂吉伸・倉地正・三橋渡・大塚市郎・瀬田和明・小堀文彦
幹事
石川和宏・神部正博・利根川雅実・長畑直和・諸星重明

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。