ヒメクロオビフユナミシャク Operophtera crispifascia
(シャクガ科ナミシャク亜科)

寒冷期に活動するシャクガの仲間、いわゆる冬尺蛾のひとつ。山深いブナ林に生息する。木々の葉が黄色く色付きそして落葉する直前のひと時に限って出現し、同所的に見られる他の冬尺蛾よりも出現時期はやや早い。

冬尺蛾のメスはいずれも翅が縮小あるいは消失しており飛翔能力を持たないが、その中にあって本種のメスは相対的にかなり大きな翅をもつ。オスは低地~山地でよく見られるクロオビフユナミシャクに似る。しかし触角の櫛歯は本種の方がはるかに長く、識別は容易。

ブナの幹に本種のメスがとまっていると、中途半端な大きさの翅が幹表面に接して周囲に馴染み、小さなコブのように見える。コーリング(雌性フェロモンの放出)は午後7時頃に行われ、その時間帯には多数のオスがブナ林内を飛び交う。

撮影データ: 2015年10月17日 八甲田山(青森県)
撮影・文章: 工藤 誠也

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日本鱗翅学会

東海支部2002年総会兼第121回例会

2002年12月 7日公開

*終了しました。

日本鱗翅学会東海支部では、2002年総会兼第121回例会を開催します。 この日は、蝶類学会の忘年会と重なるようですが、東京へ行けない方はぜひ、名古屋へお越しください。 今回は、化学生態学の分野で世界的に御活躍の西田律夫氏をお招きして 鱗翅目昆虫の産卵刺激成分、化学防御システム、性フェロモンなど、 盛りだくさんな内容について、お話しいただきます。 質問時間も多めに取る予定ですので、ぜひ議論にご参加ください。 会員の皆様の標本展示、調査報告書などの文献交換・販売も予定します。 この催し物は、チョウやガに関心のある方なら、どなたでも参加できます。多数の皆様のご来場を心よりお待ちしております。

日時
2002年12月7日(土)13時-17時
総 会(13:00-13:30)
休 憩(13:30-14:00)
特別講演(14:00-15:30)
『チョウとガの生活史と植物成分』西田律夫(京都大学大学院応用生命科学専攻)
1.アゲハチョウはなぜミカンの葉に産卵するのか?
2.毒草を好むチョウとガ(ジャコウアゲハ/マダラチョウ/ヒョウモンエダシャクなど)
3.オオゴマダラの求愛とフェロモン
一般講演(15:50-17:00)
中村康弘 :ヒョウモンモドキの保全
間野隆裕 :豊田市都心部のチョウ類群集
西原かよ子:マダラガよもやま話
懇親会(18:00から)
会場:栄華楼(名古屋市昭和区妙見町44 Tel:052-832-8655)
会費:4000円ぐらい
昆虫グッズ等の無料抽選会もありますので、用品等をお持ち下さい。
会場
名城大学9号館402号室
名古屋市天白区塩釜口1-501
Tel:052-832-1151(代表)
交通
名古屋地下鉄鶴舞線 塩釜口1番出口より徒歩5分
会費
500円
事務局
鱗翅学会東海支部
E-mail:manotaka@muj.biglobe.ne.jp
間野隆裕

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。