ヒメクロオビフユナミシャク Operophtera crispifascia
(シャクガ科ナミシャク亜科)

寒冷期に活動するシャクガの仲間、いわゆる冬尺蛾のひとつ。山深いブナ林に生息する。木々の葉が黄色く色付きそして落葉する直前のひと時に限って出現し、同所的に見られる他の冬尺蛾よりも出現時期はやや早い。

冬尺蛾のメスはいずれも翅が縮小あるいは消失しており飛翔能力を持たないが、その中にあって本種のメスは相対的にかなり大きな翅をもつ。オスは低地~山地でよく見られるクロオビフユナミシャクに似る。しかし触角の櫛歯は本種の方がはるかに長く、識別は容易。

ブナの幹に本種のメスがとまっていると、中途半端な大きさの翅が幹表面に接して周囲に馴染み、小さなコブのように見える。コーリング(雌性フェロモンの放出)は午後7時頃に行われ、その時間帯には多数のオスがブナ林内を飛び交う。

撮影データ: 2015年10月17日 八甲田山(青森県)
撮影・文章: 工藤 誠也

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日本鱗翅学会

関東支部「春の集い」2002年

2002年3月24日公開

採集に出かけたくてウズウズすると同時に、鼻がムズムズする季節となりました。 ソルトレイクのオリンピックはさまざまな問題を提議して終わりましたが、「春の集い」は蝶蛾シーズンの開会式です。 花粉症の方もそうでない方も、「春の集い」でスッキリと好スタートを切りましょう!

日時
2002年3月24日(日) 13:00-17:00(開場12:30)
会場
清水学園8階記念ホール
(渋谷駅より徒歩5分 表参道駅より徒歩8分)
参加費
1,000円(会場費・要旨代を含む)
懇親会
立食形式 4,000円
プログラム
橋本 健一
 北海道に侵入したオオモンシロチョウの光周反応と休眠消去に及ぼす低温の効果
美ノ谷 憲久・岩野秀俊
 相模湾沿岸域におけるムラサキツバメの動向
津吹 卓・瀬田和明
 温室内におけるカバタテハの睡眠に関する活動と環境条件
加藤 義臣
 ヒメシロモンドクガの光周反応
松井 安俊・松井英子
 ムラサキシジミ、ウラギンシジミの越冬を考える
新川 勉
 モンシロチョウグループの分子系統分析 2
佐伯 晃・野村 昌史・大和田 守
 翅の白色度合からみた日本産オキナワルリチラシの類縁関係
中臣 謙太郎
 ハンノキに固有な昆虫4種の季節による"すみわけ"
企画・運営
日本鱗翅学会関東支部幹事会
担当評議員
岩野 秀俊・矢野 高広・仁坂 吉伸・倉地 正・三橋 渡・大塚 市郎・瀬田 和明・小堀 文彦
幹事
石川 和宏・利根川 雅実・長畑 直和・諸星 重明

日本鱗翅学会関東支部幹事会

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鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。