モンキチョウ Colias erate poliographus
(シロチョウ科モンキチョウ亜科)

モンキチョウは平地から亜高山帯まで、日本各地に広く分布する普通種である。早春から晩秋にかけて、公園や堤防などの開けた環境を活発に飛び回る成虫の姿がしばしば見られるが、いざ採集しようとすると意外に素早く、子どもが持つ網ではなかなか捕らえられない。

観察を続けていると、写真のように雌雄が並んでホバリングする場面に出会うことがある。モンキチョウの♂は常に黄色で、♀には黄色型と白色型が存在するため、写真では左が♀、右が♂である。多くの蝶類と同様に、モンキチョウでも♂は♀を求めて飛び回り、発見すると一目散に追尾する。野外で見られる♀の多くはすでに交尾を済ませており、そのため♂の求愛行動は大半が失敗に終わるが、♀が即座に拒否行動を示さない場合には、このような空中での追尾がしばらく継続することがある。

このとき、雌雄の位置関係をよく観察すると興味深い点に気づく。追尾しているはずの♂が、実際には♀の前方を飛んでいるのである。これは、♂の翅表(種によって分泌器官の位置は異なる)から揮発性の化学物質が放出されており、それが性フェロモン(同種の個体間で交信を行うために用いられる化学物質)として作用し、♀にその香りを嗅がせているためと考えられている。

チョウの性フェロモンに関する研究は、ガに比べて進展が遅れており、その機能は未解明な点が多いが、どうやら♀の警戒心を和らげ、♂の求愛を受け入れやすくする役割があるとされている。

撮影データ: 2023年6月20日 鳥取県鳥取市・湖山池公園
撮影・文章: 中 秀司

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日本鱗翅学会

日本鱗翅学会第71回大会(東京)のご案内

この度、日本鱗翅学会第71回大会を、2025年10月25日(土)~26日(日)に東京大学弥生キャンパスにて開催する運びとなりました。創立80周年という記念すべき大会を、多くの皆様と共にお祝いできますことを心より楽しみにしております。皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。

日本鱗翅学会第71回大会事務局一同

1. 大会会場・総会会場: 東京大学弥生キャンパス(弥生講堂)

  • 〒113-8657 東京都文京区弥生1-1-1 弥生講堂

2. 日程

2025年10月25日(土)~26日(日)

25日(土)午前:
評議員会
午後:
特別招待講演・ポスター発表・懇親会
・特別招待講演では鱗翅学会80周年記念講演として養老孟司先生をお招きしご講演頂く予定です。ぜひご参加ください。
・懇親会は東京大学弥生キャンパスの構内で立食形式にて行います。
26日(日):
公開シンポジウム・一般講演・ポスター発表(コアタイム)・小集会・総会(各賞授賞式・受賞記念講演)・各種委員会
※ シンポジウムは当初、1日目を想定していましたが、都合により2日目・26日(日)に行うことになりました。ご承知おきください。
公開シンポジウム「都道府県のチョウ(仮題)」
オーガナイザー:
小田 康弘 (関東地区自然保護委員長)

都道府県のチョウが制定されたことを記念して、当シンポジウムを開催いたします。各地区から、制定に携わった方々にお集まりいただき、その生息状況や保全状況などを講演していただきます(プログラムの構成、スケジュールは変更になる場合がございます。ご了承ください)。

3. 主催・共催

主催:
日本鱗翅学会
共催:
日本蛾類学会|日本蝶類学会

4. 参加申込方法

参加をご希望の方は、やどりが284号に同封した郵便振替用紙に必要事項をご記入の上、ご送金ください。また、参加者名簿作成のため、下記のフォームよりご登録をお願いいたします(4-1. 大会参加者情報登録のお願い)。

会員外の方などで、郵便局にある振替用紙をご利用の場合は振替用紙に氏名・連絡先(電話番号、メールアドレス)、内訳(大会参加費・懇親会参加費・昼食費)を明記の上、以下の口座に送金ください。

  • 口座番号: 00130-4-602767
  • 加入者名: 日本鱗翅学会大会事務局

なお、送金いただいた参加費は、後日参加取消の場合でも返金できかねますので、ご了承ください。

4-1. 大会参加者情報登録のお願い

大会参加者名簿作成のため、氏名、所属、メールアドレスのフォームでの登録をお願いしております。以下のQRコードをスキャンもしくはクリックして下さい。正確な参加者情報の把握のため、必ず参加登録よろしくお願いいたします。特に小中高生の方は参加費が無料ですが、参加登録はお願いいたします。

    参加登録フォーム

参加登録がうまくいかない方は、事務局(lsj71.tokyo.jimugmail.com)へご連絡ください。

5. 参加費

8月31日までのご入金で、早期割引でご参加いただけます。

大会参加費(正会員)
4,000円(8月31日までは早期割引で3,000円)
大会参加費(若手、学生会員*)
2,000円(8月31日までは早期割引で1,000円)
大会参加費(非会員)
5,000円(8月31日までは早期割引で4,000円)
大会参加費(非会員学生)
4,000円(8月31日までは早期割引で3,000円)
小中高生は大会参加費無料です(中学生以下に同伴する保護者1名まで無料です)
懇親会費
一般: 8,000円(8月31日までは早期割引で7,000円)
若手・学生会員*: 5,000円(8月31日までは早期割引で4,000円)
要旨集のみ
2,000円(送料込み)
昼食代
1,500円
2日目[26日(日)]はお弁当をご用意できます。ご必要に応じてお申し込みください。
  • *: 2025年1月1日現在で40歳以下、または学生の会員
  • 共済団体の会員は鱗翅学会正会員の参加費規定に準じます。

6. 一般講演・ポスター発表・小集会

講演発表(一般講演・ポスター発表)の資格があるのは会員のみ(共催団体含む)となっております。

締め切りと体裁をよくご確認の上お申し込みをお願いいたします。申込先は事務局(lsj71.tokyo.jimugmail.com)へお願いいたします。

(1) 講演申し込み期限: 7月31日(木)(締め切り厳守)

電子メールで「講演タイトルと講演者氏名」をお申し込みください。小集会を企画される場合も同様に「小集会のタイトルおよび講演者氏名」をお申し込みください。

(2) 講演要旨の提出期限: 8月31日(日)(締め切り厳守)

電子メールでご送付ください(申込先は7.に記載)。

(3) 講演要旨の形式

用紙サイズ:
A4用紙1ページ以内。上下左右に25mmの余白をとる。
記載内容:
講演タイトル、講演者氏名(所属地区名)、本文の順で横書きとする。
図版:
挿入する場合は、モノクロ印刷に適したものを使用する。
ファイル形式: MS-Word形式とする。

6-1. 一般講演について

一般講演は、質疑応答を含めて15分です。時間厳守をお願いします。映写はご自身のパソコンをご利用になるか、事務局が用意したパソコン(Microsoft Power PointとAdobe Readerがインストール済)をご利用ください。事務局が用意したパソコンをご利用の場合、ウィルス感染防止のために、講演用ファイルはウィルスに感染していないことを確認したUSBメモリに保存してご持参ください。

6-2. ポスター発表について

ポスター発表の機会を設けます。コアタイムは2日目に設定しておりますが、1日目からの掲示も可能です。

各ポスターの掲示スペースは横85cm×縦115cmです。ポスターはA0サイズ以下で作成してください。

ポスター賞を実施いたします。受賞者は来場者の投票により決定し、最終日の総会にて発表を行います。

6-3. 小集会について

本大会では小集会(60~90分、応募数により調整)を募集します。応募件数が上限に達した場合は、大会事務局で選考のうえ、可否をお伝えいたしますので、予めご了承ください。

  • ・講演時間は大会事務局が設定した時間内で、小集会の企画者による割り振りをお願いします。
  • ・使用するパソコンは小集会企画者側でご準備ください。

7. 大会実行委員会・問い合わせ先

大会会長:
矢後 勝也
事務局長:
伊藤(紙屋) 勇人

各種お問合せ、講演のお申し込み、講演要旨のご送付は下記宛にお願いします。

〒113-0033

東京都文京区本郷 7-3-1
東京大学総合研究博物館 昆虫自然史学研究室

(問い合わせ全般) 伊藤 勇人・矢後 勝也 (講演・小集会申込、要旨送付など) 伊藤 勇人・矢後 勝也

E-mail:lsj71.tokyo.jimugmail.com
TEL:080-5492-6153 (伊藤)

8. その他

  • ・大会事務局での宿泊の斡旋は行いません。なお、東京ドーム等の近隣施設でライブ等が開催された場合、宿泊施設が足りなくなるおそれがあります。各自で早めのご手配をお願いします。
  • ・東京大学では、キャンパス内は原則禁煙で、指定された喫煙場所でのみ喫煙が可能です。
  • ・送金いただいた参加費は、後日参加取り消しの場合でも返金できかねますので、ご了承ください。
  • ・講演要旨集は日本鱗翅学会会員および共催学会会員以外の参加者は、当日現地で配布予定です。事前に講演要旨集が必要な方は大会事務局までご連絡ください。
  • ※ バナー写真のオガサワラセセリは、環境省業務により撮影しています。

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。