シロシモフリエダシャク Biston melacron
(シャクガ科エダシャク亜科)

春の夜、シロシモフリエダシャクの雄がひっそりと街灯に飛来していた。

年に一化、春のみに出現するシャクガで、西日本に分布するが局地的で個体数も多くない。

本種の属するBiston属は灯火に飛来するのは雄ばかりで、雌はのきなみ珍品であるが、本種の雌はとりわけ得難いようで、寄主植物を含め幼生期は一切判明していない。山陰地方は本種が比較的多産し、筆者もこれまで多数の雄を見てきたが、雌には未だに謁見できていない。いつか雌を採集して飼育してみたい蛾の一つである。

撮影データ: 2021年4月14日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 松井 悠樹

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日本鱗翅学会

蝶と蛾 72(2)(電子版)発行のお知らせ

2021年9月 6日公開

蝶と蛾 Vol.72 No.2 (電子版)が発行されましたのでお知らせします。閲覧には以下、J-StageのURLにアクセスし、やどりが265に同封されていたログイン名とパスワードを入力してください。

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蝶と蛾 Vol.72 No.2

    • Description of a new Nemophora species from China (Lepidoptera: Adelidae), with key to species of the sichuana species group
    • Cheng-Qing LIAO, Toshiya HIROWATARI, Guo-Hua HUANG
    • 中国産Nemophora属(鱗翅目: ヒゲナガガ科の1新種の記載とsichuana種群の種への検索表
    • 廖 承清, 広渡 俊哉, 黄 国華
    • ページ: 17-23
    • 山梨県富士北麓におけるヒサマツミドリシジミのメスの記録と長距離移動
    • 大脇 淳
    • ページ: 25-28
    • Taxonomic revision of the genus Meleonoma Meyrick (Lepidoptera: Oecophoridae) from Japan, part II
    • Yuki KITAJIMA, Yositaka SAKAMAKI
    • 日本産Meleonoma属の分類学的再検討(II)(鱗翅目, マルハキバガ科)
    • 北島 裕紀, 坂巻 祥孝
    • ページ: 29-42

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鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。