マエアカスカシノメイガ Palpita nigropunctalis
(ツトガ科ヒゲナガノメイガ亜科)

夏の暑さが過ぎ、本格的な秋の訪れを感じはじめる9月の早朝に、アベリアの花を訪れたマエアカスカシノメイガを見つけた。

半透明の白い翅と橙色の差し色が美しいガで、早春のまだ寒い時期から灯火やコンビニの灯りに成虫が集まる。幼虫が公園の生け垣や人家に植栽されるネズミモチやライラック、オリーブなど様々なモクセイ科植物を餌としているため、都市から山間部まで広い地域で成虫を目にする。

本種の成虫は真冬以外いつでも見られるような気がするのだが、実は複雑な生活史を持っており、成虫が見られる時期は意外に限られている。幼虫が暑さにも寒さにも弱いのか、あるいは春と秋だけ餌の状態がよいのか、幼虫の生育に適さない時期を休眠してやり過ごすようだ。夏は成虫で、冬は蛹でそれぞれ休眠するらしい(Gotoh et al. 2011, 後藤 2012)。

撮影データ: 2022年9月23日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 中 秀司

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日本鱗翅学会

日本鱗翅学会第65回大会(松本)での発表申込み受付の延長について

2018年8月 2日公開

やどりがの発行遅延のため、7月末日に締め切りとしておりました65回大会での発表申込みの受付を、8月20日(月)まで延長いたします。一般発表、ポスター発表、標本発表(やどりがに見本を掲載)、小集会へのエントリーをお待ちしております。

なお、講演要旨の提出については予定通り、8月末日締め切りとなりますので、お気を付けください。

申込み・要旨送付先

〒395-0034

長野県飯田市追手町 2-655-7
飯田市美術博物館

日本鱗翅学会第65回大会事務局

四方 圭一郎

TEL:0265-22-8118
FAX:0265-22-5252
E-mail:lsj65matsumotogmail.com

四方 圭一郎 (第65回大会事務局)

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鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。