カバイロシジミ Glaucopsyche lycormas
(シジミチョウ科)

日本では、青森県の北端部と北海道のみに分布する稀なシジミチョウ。クサフジを食餌植物とする集団とヒロハノクサフジを食餌植物とする集団とに2分される。特に後者は道南と青森県の限られた地域に見られ、その生息地は海岸部の断崖付近に限定される。

本種の生活史はクサフジとヒロハノクサフジの花に依存しているが、ヒロハノクサフジはクサフジより遥かに花期が長く、そのためヒロハノクサフジを利用する道南・青森県の集団では羽化時期が長期にわたる。例えば青森県の津軽半島では5月下旬から8月まで新鮮な成虫が見られ、年1化でありながら成虫出現期が極めて長い。

このように羽化が斉一でない事情が影響してか、津軽半島の生息地で一度に見られる個体数は少ない。日差しを遮るものがない炎天の海岸で、しかも足場の悪い断崖近くを活発に飛んで落ち着かず、撮影には難儀させられる。

撮影データ: 2013年8月7日 青森県津軽半島
撮影・文章: 工藤 誠也

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日本鱗翅学会

蝶と蛾 69(1)(電子版)発行のお知らせ

2018年7月18日公開

蝶と蛾 Vol.69 No.1 (電子版)が発行されましたのでお知らせします。閲覧には以下、J-StageのURLにアクセスし、Vol.68 No.3/4に同封されていたログイン名とパスワードを入力してください。

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蝶と蛾 Vol.69 No.1

    • DNA barcoding and adult morphology reveal an unrecorded species on Citrus and other new host associations of Blastobasidae (Lepidoptera: Gelechioidea) in Japan, with taxonomic notes on the genus Lateantenna.
    • Issei OHSHIMA, Yositaka SAKAMAKI, Hiromitsu INOUE, Tomonori ARAI, David ADAMSKI
    • DNAバーコーディングおよび成虫形態から明らかとなったネマルハキバガ科(鱗翅目: キバガ上科)のミカンを加害する日本未記録種と新たな寄主植物の記録
    • 大島 一正・坂巻 祥孝・井上 広光・新井 朋徳・D. Adamski
    • ページ: 1-9
    • Taxonomic relationship between Earias roseifera Butler and Earias roseoviridis Sugi (Lepidoptera: Nolidae: Eariadinae) with reference to their distributions mainly in Japan.
    • Daisuke WATABIKI, Shin-ichi YOSHIMATSU
    • ベニモンアオリンガとオオベニモンアオリンガの分類学的関係, 日本における両種の分布を参考に
    • 綿引 大祐・吉松 慎一
    • ページ: 11-18
    • Records of Gelechioid moths from Amami-Ôshima Island.
    • Jouhei OKU, Yositaka SAKAMAKI, Shin-ichi SAMESHIMA, Katsuo TSUDA, Takeshi TERADA
    • 奄美大島のキバガ上科の記録
    • 奥 尉平・坂巻 祥孝・鮫島 真一・津田 勝男・寺田 剛
    • ページ: 19-32
    • Seasonal and sexual differences in the ultraviolet reflectance and scent scale substances of the wings of Pieris napi japonica (Lepidoptera, Pieridae).
    • TANAHASHI Ichiro
    • ヤマトスジグロシロチョウの季節型による翅の色彩と香気成分の変化
    • 棚橋 一郎
    • ページ: 33-43
    • A new species of the genus Epinotia Hubner (Lepidoptera, Tortricidae, Olethreutinae) from Japan.
    • NASU Yoshitsugu
    • 日本産Epinotia属の1新種(鱗翅目, ハマキガ科, ヒメハマキガ亜科)
    • 那須 義次
    • ページ: 45-47
    • 蝶と蛾 68巻3/4号の訂正

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鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。