マエアカスカシノメイガ Palpita nigropunctalis
(ツトガ科ヒゲナガノメイガ亜科)

夏の暑さが過ぎ、本格的な秋の訪れを感じはじめる9月の早朝に、アベリアの花を訪れたマエアカスカシノメイガを見つけた。

半透明の白い翅と橙色の差し色が美しいガで、早春のまだ寒い時期から灯火やコンビニの灯りに成虫が集まる。幼虫が公園の生け垣や人家に植栽されるネズミモチやライラック、オリーブなど様々なモクセイ科植物を餌としているため、都市から山間部まで広い地域で成虫を目にする。

本種の成虫は真冬以外いつでも見られるような気がするのだが、実は複雑な生活史を持っており、成虫が見られる時期は意外に限られている。幼虫が暑さにも寒さにも弱いのか、あるいは春と秋だけ餌の状態がよいのか、幼虫の生育に適さない時期を休眠してやり過ごすようだ。夏は成虫で、冬は蛹でそれぞれ休眠するらしい(Gotoh et al. 2011, 後藤 2012)。

撮影データ: 2022年9月23日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 中 秀司

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日本鱗翅学会

日本鱗翅学会中国支部第19回例会のお知らせ

2017年11月16日公開

毎年恒例となりました中国支部の例会を開催します。支部会員以外の参加も歓迎します。

日時・場所

日時
2017年11月18日(土曜日) 13:00~17:00
場所
ホテルチューリッヒ東方(広島市東区)

プログラム

総会

(1)役員の確認(2017年1月~12月)
(2)報告・連絡事項
 ①日本鱗翅学会仙台大会報告
 ②2017年度事業報告、2018年度事業計画
 ③会計中間報告
 ④伊万里市教育委員会からの依頼
 ⑤「蝶と蛾」電子出版化に伴うメールアドレスの登録
 ⑥その他
(3)協議事項
 ①支部規約の改正
 ②支部の安定的な運営について
 ③会員拡大と各県地方同好会の現状
 ④その他

研究発表

(1)フレンチギアナ採集記(鳥取県)
(2)山口県のチョウ目録について(2016)(山口県)
(3)岡山県南西部におけるウラギンスジヒョウモンの現況(広島県)
(4)岡山県のブナ林とフジミドリシジミ(岡山県)
※ 特別講話 2017ヒアリ騒動の最前線
 

お問い合わせ

〒710-1312

倉敷市真備町辻田 847-5

岡野 貴司

TEL:086-698-7247
TEL:090-2298-6733

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。