カバイロシジミ Glaucopsyche lycormas
(シジミチョウ科)

日本では、青森県の北端部と北海道のみに分布する稀なシジミチョウ。クサフジを食餌植物とする集団とヒロハノクサフジを食餌植物とする集団とに2分される。特に後者は道南と青森県の限られた地域に見られ、その生息地は海岸部の断崖付近に限定される。

本種の生活史はクサフジとヒロハノクサフジの花に依存しているが、ヒロハノクサフジはクサフジより遥かに花期が長く、そのためヒロハノクサフジを利用する道南・青森県の集団では羽化時期が長期にわたる。例えば青森県の津軽半島では5月下旬から8月まで新鮮な成虫が見られ、年1化でありながら成虫出現期が極めて長い。

このように羽化が斉一でない事情が影響してか、津軽半島の生息地で一度に見られる個体数は少ない。日差しを遮るものがない炎天の海岸で、しかも足場の悪い断崖近くを活発に飛んで落ち着かず、撮影には難儀させられる。

撮影データ: 2013年8月7日 青森県津軽半島
撮影・文章: 工藤 誠也

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日本鱗翅学会

日本産チョウ類の衰亡と保護 第7集

2016年4月 3日公開

おかげさまで『日本産チョウ類の衰亡と保護第7集』が無事に発行されました。本書には、蝶・蛾類の日本における生息の現状や実践的な保護活動の事例報告など、2013年10月に東京で開催した自然保護セミナーの内容が掲載されています。また、四訂版となる最新の都道府県別蝶類レッドリストでは、初めて全47都道府県の情報を揃えることができました。本書のご購入は下記の案内に従ってお申し込みください。

また、お問い合わせにつきましては、本会事務局(03-3812-5223)までご連絡ください。

発行日:
2016年1月31日出版 A4版/352頁
編者:
矢後勝也・平井規央・神保宇嗣(日本鱗翅学会自然保護委員会)
頒価:
3,500円(外税、送料込)

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鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。