マエアカスカシノメイガ Palpita nigropunctalis
(ツトガ科ヒゲナガノメイガ亜科)

夏の暑さが過ぎ、本格的な秋の訪れを感じはじめる9月の早朝に、アベリアの花を訪れたマエアカスカシノメイガを見つけた。

半透明の白い翅と橙色の差し色が美しいガで、早春のまだ寒い時期から灯火やコンビニの灯りに成虫が集まる。幼虫が公園の生け垣や人家に植栽されるネズミモチやライラック、オリーブなど様々なモクセイ科植物を餌としているため、都市から山間部まで広い地域で成虫を目にする。

本種の成虫は真冬以外いつでも見られるような気がするのだが、実は複雑な生活史を持っており、成虫が見られる時期は意外に限られている。幼虫が暑さにも寒さにも弱いのか、あるいは春と秋だけ餌の状態がよいのか、幼虫の生育に適さない時期を休眠してやり過ごすようだ。夏は成虫で、冬は蛹でそれぞれ休眠するらしい(Gotoh et al. 2011, 後藤 2012)。

撮影データ: 2022年9月23日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 中 秀司

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日本鱗翅学会

日本鱗翅学会東海支部第158回例会のご案内

2015年5月 7日公開

※終了しました。

東海支部の「第158回例会」を下記の要領で開催いたします。

総会以外は会員外の皆様も参加もできるので、お誘い合わせの上ご参加いただければ幸いです。

日時・場所・参加費等

日時
2015年5月30日(土)13:00~17:00
場所
三重県総合博物館(MieMu:みえむ)
三重県津市一身田上津部田3060
(三重県総合文化センター向かい)
TEL:059-228-2283
FAX:059-229-8310
交通アクセス
参加費
500円

プログラム

ようこそ三重県総合博物館へ 13:00~13:20
三重県総合博物館 昆虫担当学芸員 大島康宏
館内見学 13:20~15:30 (バックヤード見学含む)
(有料エリアへの入場は、別途閲覧料が必要になります)
一般講演 15:30~17:00
(1)河本 実「三重県北勢地域の蝶 最近の動向とこれから調べてほしいこと」
(2)奥田道廣「森林性の蝶の雄♂と雌♀の出会いの場」
(3)長谷川好昭「三重県のウラナミアカシジミ(紀伊半島亜種)について」
(4)坂部元宏「三重県におけるスギタニモンキリガの生態と分布」
ワークショップ「ゆらゆらチョウチョ」
13:00~15:30の間で、常時開催しています

※例会終了後、懇親会の開催を予定しています。奮ってご参加下さい。

連絡先

事務局
日本鱗翅学会 東海支部事務局
〒489-0863
愛知県瀬戸市せいれい町27
南山大学 総合政策学部 江田信豊
TEL:0561-89-2000
FAX:0561-89-2039
e-mail:koda@nanzan-u.ac.jp

現在メールでのご案内に切り替えております。メール利用の方は上記事務局にメールアドレスをお教え下さい。

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。