カバイロシジミ Glaucopsyche lycormas
(シジミチョウ科)

日本では、青森県の北端部と北海道のみに分布する稀なシジミチョウ。クサフジを食餌植物とする集団とヒロハノクサフジを食餌植物とする集団とに2分される。特に後者は道南と青森県の限られた地域に見られ、その生息地は海岸部の断崖付近に限定される。

本種の生活史はクサフジとヒロハノクサフジの花に依存しているが、ヒロハノクサフジはクサフジより遥かに花期が長く、そのためヒロハノクサフジを利用する道南・青森県の集団では羽化時期が長期にわたる。例えば青森県の津軽半島では5月下旬から8月まで新鮮な成虫が見られ、年1化でありながら成虫出現期が極めて長い。

このように羽化が斉一でない事情が影響してか、津軽半島の生息地で一度に見られる個体数は少ない。日差しを遮るものがない炎天の海岸で、しかも足場の悪い断崖近くを活発に飛んで落ち着かず、撮影には難儀させられる。

撮影データ: 2013年8月7日 青森県津軽半島
撮影・文章: 工藤 誠也

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日本鱗翅学会

映画:「バタフライ~蝶たちの不思議な大移動~」のご案内

2013年11月 5日公開

日本鱗翅学会推薦映画について以下にご案内いたします。加藤義臣会員が監修・翻訳をされています。

映画名:「バタフライ~蝶たちの不思議な大移動~」

概要:渡り蝶として有名なオオカバマダラの移動先と集団越冬地を突き止めた、アークハート博士の半生を描いたものです。チョウのマーキング手法や集団越冬地でのロケなど科学的にも映像的にも大変興味深いものです。なお、本映画はもともと3D映画として制作されていますが、日本ではドーム型劇場のみで公開されます。

制作
SK Films
日本語版制作/配給
D&D ピクチャーズ(問い合わせ先)
日本語版ナレーション
はなさん
監修
加藤義臣
翻訳
加藤義臣・原朋子
現時点での上映館と日程
鹿児島市立科学館 (2013年10月1日から12月28日)
さいたま市宇宙劇場((2013年9月7日から12月1日、2014年2月1日から2月23日)

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鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。