マエアカスカシノメイガ Palpita nigropunctalis
(ツトガ科ヒゲナガノメイガ亜科)

夏の暑さが過ぎ、本格的な秋の訪れを感じはじめる9月の早朝に、アベリアの花を訪れたマエアカスカシノメイガを見つけた。

半透明の白い翅と橙色の差し色が美しいガで、早春のまだ寒い時期から灯火やコンビニの灯りに成虫が集まる。幼虫が公園の生け垣や人家に植栽されるネズミモチやライラック、オリーブなど様々なモクセイ科植物を餌としているため、都市から山間部まで広い地域で成虫を目にする。

本種の成虫は真冬以外いつでも見られるような気がするのだが、実は複雑な生活史を持っており、成虫が見られる時期は意外に限られている。幼虫が暑さにも寒さにも弱いのか、あるいは春と秋だけ餌の状態がよいのか、幼虫の生育に適さない時期を休眠してやり過ごすようだ。夏は成虫で、冬は蛹でそれぞれ休眠するらしい(Gotoh et al. 2011, 後藤 2012)。

撮影データ: 2022年9月23日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 中 秀司

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日本鱗翅学会

灯火に飛来する昆虫の採集観察会のお知らせ

2012年5月13日公開

※終了しました。

日本鱗翅学会信越支部では、信州昆虫資料館及び日本昆虫協会長野支部との共催により、下記のとおり、蛾などの灯火に飛来する昆虫の採集観察会を開催いたします。今回の開催は、子供達が伸び伸びと昆虫採集に取り組めるように、学会の腕章を付けての採集会を試行実施し、子供達の腕章を付けた感想や第三者の昆虫採集に対する感触を確かめることも目的としています。お子さんを連れての参加歓迎です。なお、宿泊を希望される場合は、当館に泊まることができます。ただし、素泊まりですので、極力、夕飯・朝食およびシュラフをご持参ください。(風呂はありませんが、麓に田沢温泉があります。)

場所
長野県青木村信州昆虫資料館
(青木村田沢温泉上 TEL 0268-37-3988)
日時
2012年6月2日(土)から3日(日)
費用
大人300円、子供(中学生以下)無料
宿泊者は別途1,500円程度
内容
16:00~資料館展示見学
18:00~ライトトラップによる採集会
その他
参加者は特に申し込みの必要はありませんが、宿泊希望者は5月末日までに田下(090-7214-4361・メール:mk.tashita@nifty.com)までご連絡ください。 夕飯・飲み物持参。雨天決行です。ライトトラップの道具のある方は、持参ください。
支部長
井原道夫
幹事
田下昌志・福本匡志

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。