シロシモフリエダシャク Biston melacron
(シャクガ科エダシャク亜科)

春の夜、シロシモフリエダシャクの雄がひっそりと街灯に飛来していた。

年に一化、春のみに出現するシャクガで、西日本に分布するが局地的で個体数も多くない。

本種の属するBiston属は灯火に飛来するのは雄ばかりで、雌はのきなみ珍品であるが、本種の雌はとりわけ得難いようで、寄主植物を含め幼生期は一切判明していない。山陰地方は本種が比較的多産し、筆者もこれまで多数の雄を見てきたが、雌には未だに謁見できていない。いつか雌を採集して飼育してみたい蛾の一つである。

撮影データ: 2021年4月14日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 松井 悠樹

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日本鱗翅学会

日本鱗翅学会第57回大会(東京大会)プログラム

2010年10月20日公開

※終了しました。

第57回大会写真集へ(会員ページ)

日本鱗翅学会第57回大会は関東支部が担当し、東京都文京区で開催されることとなりましたのでご案内申し上げます。本大会は日本蛾類学会も協賛します。皆さまのお越しを心よりお待ちしております。

会場

大会・総会会場
東京大学弥生キャンパス(農学部)「弥生講堂一条ホール、農学部2号館」
〒113-0033 東京都文京区弥生1-1-1
周辺地図

日程

2010年10月30日(土)13時00分から10月31日(日)17時10分

参加費

大会参加費
3,000円
講演要旨のみ
2,000円(送料込み)
集合写真代
1,500円(送料込み)
懇親会費
7,000円
昼食代
1,000円(2日目のみ)

プログラム

A会場:弥生講堂(一条ホール)

B会場:農学部2号館講堂

10月30日(土)大会1日目
評議員会(A会場、10:00-12:00)
大会受付開始(A会場、12:00-)
開会の挨拶:加藤義臣(A会場、13:00-13:15)
一般講演(A会場、13:15-14:45)
※一般講演は1講演につき15分です(質問を含む)
A101.「神奈川県平野部におけるコムラサキの分布拡大について」針谷 毅(関東)
A102.欠 ※本講演はP-6に移動
A103.「ギフチョウは山でなにをしているか - 飛翔行動とその未来」渡辺一雄(中国)・亀山 剛
A104.「日本産ホシミスジ本来の生息地復元の試み」福田晴男(関東)
A105.「日本における蛇紋岩地の蝶」美ノ谷憲久(関東)
A106.「ヒメシロモンドクガ休眠ホルモンはアカボシゴマダラの夏型化を誘導するか」加藤義臣(関東)・塩見邦博
写真撮影(農学部1号館前、15:00)
シンポジウムA「日本と中国大陸の鱗翅類のつながり」(A会場、15:15-17:45)
世話人:矢後勝也(関東) SA101.「中国広東省のシャチホコガ・日本との比較」岸田泰則(関東)
SA102.「広東省南嶺の蝶類生態調査」-日中共同調査の紹介-」大島良美(関東)・原田基弘・吉田良和
SA103.「中国大陸の原始的な鱗翅類」広渡俊哉(近畿)
SA104.特別講演「Distribution patterns of Lepidoptera in Sino-Himalayan region」王 敏(華南農業大学)
懇親会(A会場、18:00-20:00)
10月31日(日)大会2日目
一般講演(A会場、9:00-11:30)
A201.「クモマベニヒカゲの系統地理(予報)」中谷貴壽(関東)・宇佐美真一・伊藤建夫
A202.「上高地の歴史とチョウ類群集の変遷」中村寛志(信越)・山根 仁・江田慧子
A203.「安曇野の歴史とオオルリシジミ」江田慧子(信越)・西尾規孝・須賀 丈・中村寛志
A204.「アサギマダラの配偶行動とアルカロイド」本田計一(中国)・松本隼也・大村 尚
A205.「東京都心の緑地におけるチョウ相の比較」今藤夏子(関東)
A206.「ナミアゲハおよびクロアゲハの蛹休眠を誘起する光周反応と蛹休眠消去における低温の効果」橋本健一(関東)
A207.「アポイ岳におけるヒメチャマダラセセリの棲息の現状」渡辺康之(近畿)
A208.「1950年以降に南西諸島を北上したチョウ類」福田晴夫(九州)
A209.「ベニシロチョウAppias neroの分類と多型」矢田 脩(九州)・R.I. Vane-Wright・J.E.Chainey
A210.「チャマダラセセリの温度・日長反応」石井 実(近畿)・平井規央・坂本佳子
一般講演 (B会場、9:00-12:00)
B201.「チョウの口吻はストロー状か?」川崎悦子(関東)
B202.「Stemapodaの発達するシャチホコガ科6種の行動(産卵・蛹化・防禦)の共通点」中臣謙太郎(関東)・横田光郎
B203.「スガ科Yponomeutidae幼虫に見られる頸腺(cervical gland)について」那須義次(近畿)・安田耕司
B204.「神奈川県丹沢山におけるサクラスガの大量発生と県絶滅危惧種シウリザクラの衰退について」谷 晋(関東)・伴野英雄・山上 明
B205.「杉 繁郎コレクションのデータベース化と公開 」吉松慎一(関東)・栗原 隆・吉武 啓・中谷至伸
B206.「絶滅危惧種ミヤマシジミのメタ個体群構造」渡邊通人(関東)
B207.「クロヒカゲの雄にとって交尾は負担か?」竹内 剛(近畿)
B208.「クロヒカゲとヒカゲチョウの個体群動態に対する縄張での干渉の影響」井出純哉(九州)
B209.「アゲハ類の吸水行動研究1 その標的(味)と誘引元(匂)」井上 A. 尚(関東)・萩谷 弘・﨡原絹子・秦 珠子・朝岡 潔・横張文男・伊藤哲夫
B210.「アゲハ類の吸水行動研究2 チョウの消化管での主要4種金属イオンの出納」伊藤哲夫(関東)・萩谷 弘・﨡原絹子・秦 珠子・朝岡 潔・横張文男・井上 A. 尚
B211.「Mitochondrial Phylogeography of Fischer's blue Tongeia fischeri (Eversmann,1843) (Lepidoptera: Lycaenidae) in Japan」Jeratthitikul Ekgachai(近畿)・原 岳央・矢後勝也・宇佐美真一・伊藤建夫・疋田 努
B212.「南関東地方において発見されたクロマダラソテツシジミの系統解析」岩野秀俊(関東)・畠山吉則
ポスター発表(A会場、コアタイム11:30-12:30、一般・中高生)
P-1.「蛾類幼虫百態(その10)」中臣謙太郎(関東)・横田光邦
P-2.「アカメガシワの枝に潜るホソガ」小林茂樹(近畿)・広渡俊哉
P-3.「スジグロシロチョウとエゾスジグロシロチョウの種間雑種の香気成分(2)」棚橋一郎(近畿)・北原 曜
P-4.「ブナ科植物の葉の性質と蛾類幼虫-なぜツブラジイに幼虫が少ないか。高校生への科学研究指導」船越進太郎(東海)
P-5.「河畔林におけるガ類群集」間野隆裕(東海)
P-6.「アカボシゴマダラ(名義タイプ亜種)Hestina assimilisの越冬幼虫の観察記録」久保快哉(関東)・伊東秀晃
P-S2.「アカボシゴマダラの生育環境の変化と赤紋濃淡の関係について-RGB値の解析から-」長澤 亮(佼成学園高等学校)
P-S3.「鴎友学園で見られる蝶類とその飼育観察」大橋りか・岸本椎奈(鴎友学園女子高等学校)
P-S4.「ツマグロヒョウモンの生態」安田雄飛(多摩大学附属聖ヶ丘高等学校)
P-S5.「アカボシゴマダラの生態」千葉 稔(多摩大学附属聖ヶ丘中学校)
自然保護委員会(B会場、12:00-13:00)
総会(A会場、13:00-13:25)
シンポジウムB「鱗翅類保全の新しい視点 」(A会場、13:30-15:00)
世話人:宇野 彰(関東)
SB201.「ガ類レッドリスト作成の現状と問題点」間野隆裕(東海)
SB202.「地球温暖化や外来生物によるチョウ類の影響と保全対策」矢後勝也(関東)/br> SB203.「保全と採集のバランスについて -山梨県北杜市のゴマシジミ保全活動を例として-」蓑原 茂(関東)
SB204.「海外における鱗翅類保全から」松村行栄(関東)
一般講演(B会場、13:30-14:45)
B213.「新潟県十日町市の豪雪地帯におけるブナが優占する里山のチョウ群集」大脇 淳(信越)
B214.「ウスバシロチョウの黒化について(仮)」寺 章夫(関東)・小野克己
B215.「フェントンと石川千代松の奥の細道-秋田街道について-」松田真平(近畿)
B216.「幼虫がツルモウリンカを食べるマダラチョウを与えた時のカマキリの反応の種間ならび地理的変異について」辻本 始(近畿)
B217.「コヒョウモンとヒョウモンチョウの種間関係-雑種第2代までの飼育と野外調査の結果-」北原 曜(信越)
小集会(A会場、B会場、15:10-17:10)
W1.「日本鱗翅学会アサギマダラプロジェクト公開シンポジウム」(A会場、15:10-)世話人:石井 実(近畿)
W2.「ロシア沿海地方の鱗翅類III」(B会場、15:10-)世話人:四方圭一郎(信越)・永幡嘉之
W3.「チョウ類保全の今後を考える」(A会場、16:10-)世話人:中村康弘(関東)
W4.「寄主植物の系統分類は鱗翅目系統を反映する」(B会場、16:10-)世話人:中臣謙太郎(関東)・横田光邦
閉会(A会場、17:10)

大会事務局

大会会長
加藤義臣
大会事務局長
矢後勝也
問い合わせ先
この大会に関する一般講演・ポスター講演以外のお問い合わせは、事務局長(矢後)までお願い致します。
〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1
東京大学総合研究博物館
矢後 勝也
e-mail:myago@um.u-tokyo.ac.jp
電話(研究室):03-5841-2817

会場へのアクセス

東京メトロ・南北線
東大前駅より徒歩1分
東京メトロ・千代田線
根津駅より徒歩8分
東京メトロ・丸ノ内線
本郷三丁目駅より徒歩12分
都営地下鉄・大江戸線
本郷三丁目駅より徒歩10分
経路
地下鉄路線図

その他

大学構内は指定場所以外での喫煙が全面禁止されております。また、会場は原則として飲食禁止となっておりますので、ご注意ください。

駐車スペースはございませんので、各自、公共の駐車施設および交通機関をご利用ください。

大会両日とも東大総合研究博物館(本郷キャンパス・懐徳門を入ってすぐ右)にて企画展「昆虫標本の世界 -採集から収蔵、多様性保全まで-」を開催しております。

須田孫七、五十嵐邁、江田茂のコレクション他、名和靖、高千穂宣麿、中川久知由来の歴史的標本も展示されています。

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。