エゾミドリシジミ Favonius yezoensis
(シジミチョウ科)

ミドリシジミの仲間の翅の緑色は、鱗粉のごく微細な構造により光が干渉することで生じている。角度によって色や輝きの強さが変わって見えるのはそのためで、この特殊な発色現象は構造色と呼ばれる。

羽化の瞬間、チョウの翅は体液でわずかに湿っている。このわずかな体液によって鱗粉の反射する光の波長が変わるため、新成虫が蛹から抜け出した直後のひと時に限って、翅は普段の緑色からは想像もつかない紫色となる。紫色の翅は前縁・外縁側から乾いて速やかに変色し、60秒後にはオーロラを連想させる配色(写真)に、そして更に1分ほど経つと完全な緑色となる。

撮影データ: 青森県岩木山にて採卵・飼育
撮影・文章: 工藤 誠也

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日本鱗翅学会

絶滅危惧チョウ類保全のためのシカの食害(過剰採食)防止に関わる要望書

2019年1月13日公開

近年、全国各地でニホンジカの急造と分布拡大が顕在化しています。それに伴い、シカによる食害で自然植生の急激な衰退や生態系への悪影響が多数報告されています。シカ害の影響はチョウ・ガの個体群にも甚大な悪影響を与えており、保護対象となっている絶滅危惧チョウ類に関して、緊急を要するシカ防護策の設置要請が、複数の地域から持ち上がっています。

そこで本学会は、2018年12月25日に、環境大臣及び農林水産大臣に宛てて、以下の要望書を提出しました。

矢後 勝也 (自然保護委員長)

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。