シロシモフリエダシャク Biston melacron
(シャクガ科エダシャク亜科)

春の夜、シロシモフリエダシャクの雄がひっそりと街灯に飛来していた。

年に一化、春のみに出現するシャクガで、西日本に分布するが局地的で個体数も多くない。

本種の属するBiston属は灯火に飛来するのは雄ばかりで、雌はのきなみ珍品であるが、本種の雌はとりわけ得難いようで、寄主植物を含め幼生期は一切判明していない。山陰地方は本種が比較的多産し、筆者もこれまで多数の雄を見てきたが、雌には未だに謁見できていない。いつか雌を採集して飼育してみたい蛾の一つである。

撮影データ: 2021年4月14日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 松井 悠樹

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日本鱗翅学会

「熊本県のゴイシツバメシジミ保全に関わる要望書」への回答書

2015年6月 1日公開

熊本県にあるJNC(株)の発電所に関わる価格固定買取制度(FIT制度)設備認定のための工事により、環境省「種の保存法」の希少野生動植物種および国の天然記念物に指定されているゴイシツバメシジミおよびその食草シシンランに甚大な悪影響を及ぼすことが懸念されるため、本学会は、2015年1月25日に日本昆虫学会と共同声明で、早急な工事見直しの要望書をJNC(株)に提出致しましたが、その後の話し合いや調整により、JNC(株)には多大な配慮を頂いた合意案がまとまったため、2015年5月25日付で添付のような回答書をJNC(株)社長宛に送付致しました(保全の観点から地吊等を一部ブラインドしています)。

2015年6月1日
自然保護委員長 矢後 勝也

日本鱗翅学会

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鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。