マエアカスカシノメイガ Palpita nigropunctalis
(ツトガ科ヒゲナガノメイガ亜科)

夏の暑さが過ぎ、本格的な秋の訪れを感じはじめる9月の早朝に、アベリアの花を訪れたマエアカスカシノメイガを見つけた。

半透明の白い翅と橙色の差し色が美しいガで、早春のまだ寒い時期から灯火やコンビニの灯りに成虫が集まる。幼虫が公園の生け垣や人家に植栽されるネズミモチやライラック、オリーブなど様々なモクセイ科植物を餌としているため、都市から山間部まで広い地域で成虫を目にする。

本種の成虫は真冬以外いつでも見られるような気がするのだが、実は複雑な生活史を持っており、成虫が見られる時期は意外に限られている。幼虫が暑さにも寒さにも弱いのか、あるいは春と秋だけ餌の状態がよいのか、幼虫の生育に適さない時期を休眠してやり過ごすようだ。夏は成虫で、冬は蛹でそれぞれ休眠するらしい(Gotoh et al. 2011, 後藤 2012)。

撮影データ: 2022年9月23日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 中 秀司

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日本鱗翅学会

近畿支部 2014年度三草山ゼフィルス調査会のご案内

2014年6月10日公開

※終了しました。

さて、今年もゼフィルスの時期となりましたが、例年通り以下の調査会を予定しておりますので、ぜひご参加ください。参加される方は、メール等でご連絡いただけると幸いです。会員以外の方のご参加も歓迎します。

日時
2014年6月21日(土)(予備日6月22日(日))
場所
大阪府豊能郡能勢町三草山
集合
午前9時30分に能勢電鉄「日生中央」駅改札口
持物
採集用具、弁当、飲み物、筆記用具、雨具等。
注意
当日の大阪府北部の降水確率が50%以上の場合は中止。
問合せ先
〒599-8531 堺市中区学園町1-1
大阪府立大学 生命環境科学研究科 平井規央
Tel(大学):072-254-9413
Fax:072-254-9694
e-mail:n_hirai@envi.osakafu-u.ac.jp

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鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。