シロシモフリエダシャク Biston melacron
(シャクガ科エダシャク亜科)

春の夜、シロシモフリエダシャクの雄がひっそりと街灯に飛来していた。

年に一化、春のみに出現するシャクガで、西日本に分布するが局地的で個体数も多くない。

本種の属するBiston属は灯火に飛来するのは雄ばかりで、雌はのきなみ珍品であるが、本種の雌はとりわけ得難いようで、寄主植物を含め幼生期は一切判明していない。山陰地方は本種が比較的多産し、筆者もこれまで多数の雄を見てきたが、雌には未だに謁見できていない。いつか雌を採集して飼育してみたい蛾の一つである。

撮影データ: 2021年4月14日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 松井 悠樹

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日本鱗翅学会

第50回日本鱗翅学会大会

2013年11月 8日公開

記念すべき第50回日本鱗翅学会大会は、2003年11月8日(土曜)~9日(日曜)の両日、「香川県歴史博物館」(JR高松駅から東へ1km、Tel 087-822-0002:地図を見たい方はこちらをクリック)で開催されます。会員以外でも参加できます。大会参加費は1000円です。

大会プログラム

受付開始 12:30
開会挨拶13:00
シンポジウム「四国のレッド種」13:15~15:05
石井実氏(近畿)による基調講演と、四国4県の代表者が地元のレッド種についてコメントし、その生息状況の過去、現在、未来を明らかにします。
シンポジスト:小川昌彦(徳島)・荒川良(高知)・海地節雄(高知)・太田喬三(愛媛)・出嶋利明(香川)
一般講演(1-1から1-5)15:15~16:30
1-1「モルフォチョウの構造色?鱗粉一枚の反射率測定からわかったこと」吉岡伸也・木下修一(近畿)
1-2「日本産天社蛾科のライフサイクル」中臣謙太郎(関東)
1-3「徳島県・高知県におけるホシミスジ2亜種の分布と変異について」○伊藤 寿 (四国)
1-4「食菌性ナミグルマアツバの分類・生態」吉松慎一(関東)・仲田幸樹(四国)
1-5「神奈川県におけるアカボシゴマダラの越冬状況観察」浅野勝司・水野隆(関東)
記念写真撮影17:00
懇親会 17:30~20:00

大会2日目 11月9日(日)

日本鱗翅学会総会9:30~10:00
一般講演(2-1から2-6)10:15~11:45
2-1「レッドデータブック作成に向けた高山チョウの分子系統解析の試み(中間報告)」 藤山静雄・田下昌志・丸山潔・宇佐美真一・上田昇平・朝井真一・伊藤建夫(信越)・藤岡知夫(関東)
2-2「キアゲハ亜属の分類と分子系統」八木孝司(近畿)・藤岡知夫(関東)
2-3「ギフチョウ自然個体群の解析(1)ミトコンドリアND5遺伝子の一塩基置換の地理分布」平野和比古・渡辺一雄(中国)
2-4「ギフチョウ自然個体群の解析(2)雄個体のマーキングによる山頂部個体群の飛翔行動」渡辺一雄・平野和比古・亀山剛(中国)
2-5「東京都におけるモンシロチョウとスジグロシロチョウの分布の変遷:アンケート調査と文献調査およびフィールド調査をもとに」 小汐千春(四国)・石井実・藤井恒・高見泰興・日高敏隆(近畿)
2-6「大阪府におけるモンシロチョウとスジグロシロチョウの分布:アンケート調査と文献調査およびフィールド調査をもとに」 石井実(近畿)・小汐千春(四国)・藤井恒・平井規央・小田健一・日高敏隆(近畿)
昼食休憩・自由時間・標本鑑賞11:45~13:00
ポスター発表コアタイム13:00~13:30
LSJフォトコンテスト結果発表13:30~13:45
一般講演(2-7~2-10) 13:45~14:45
2-7「チャマダラセセリの保護活動について」井上 武 (四国)
2-8「分子からみたYpthima属の系統」新川 勉・高橋真弓(東海)
2-9「ミドリシジミ雄の雌雄や異なる雌型モデルに対する反応」今福道夫(近畿)・松井安俊・松井英子(関東)
2-10「富士山北西麓青木ヶ原樹海および隣接する半自然草原のチョウ類群集の多様性と保全」北原正彦・小林隆人(関東)
閉会行事14:45~1500
ポスター発表(P1からP4)
P1「蛾類幼虫百態(3)」中臣謙太郎(関東)

大会両日の最初の一般講演(11、21)の座長は事務局で行いますが、以後は先の講演者が次の講演の座長を行ってください。講演時間は1題15分、1鈴12分、2鈴15分です。プログラムの計画的な進行にご協力ください。一般講演にはスライドおよびOHPが使用できます。スライド投射は事務局で行いますが、OHPの操作は演者が行ってください。スライドを使用される場合には、遅くとも30分前までに、受付にスライドを提出してください。講演後には、忘れずにスライドをお受け取りください。

大会で四国の蝶や蛾をより多く知ってもらおうと、シンポジウムや標本展示を企画しました。標本展示では皿ケ峯のベニモンカラスシジミや小豆島のヒメヒカゲなど、絶滅してしまったものも用意しています。この機会に是非ご覧下さい。懇親会では抽選で標本が貰える企画も考えております。楽しい会となること間違いありません。

讃岐うどんがちょっとしたブームとなっています。2日目の昼食時間を多めに取っています。高松駅近くにはうどん屋が何軒もあります。お楽しみください。うどん屋マップも用意しています。

日本鱗翅学会

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アクア白山ビル5F
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※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。