マエアカスカシノメイガ Palpita nigropunctalis
(ツトガ科ヒゲナガノメイガ亜科)

夏の暑さが過ぎ、本格的な秋の訪れを感じはじめる9月の早朝に、アベリアの花を訪れたマエアカスカシノメイガを見つけた。

半透明の白い翅と橙色の差し色が美しいガで、早春のまだ寒い時期から灯火やコンビニの灯りに成虫が集まる。幼虫が公園の生け垣や人家に植栽されるネズミモチやライラック、オリーブなど様々なモクセイ科植物を餌としているため、都市から山間部まで広い地域で成虫を目にする。

本種の成虫は真冬以外いつでも見られるような気がするのだが、実は複雑な生活史を持っており、成虫が見られる時期は意外に限られている。幼虫が暑さにも寒さにも弱いのか、あるいは春と秋だけ餌の状態がよいのか、幼虫の生育に適さない時期を休眠してやり過ごすようだ。夏は成虫で、冬は蛹でそれぞれ休眠するらしい(Gotoh et al. 2011, 後藤 2012)。

撮影データ: 2022年9月23日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 中 秀司

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日本鱗翅学会

日本鱗翅学会近畿支部第137回例会講演案内

2008年12月13日公開

※終了しました。

日本鱗翅学会近畿支部第137回例会を、日本昆虫学会近畿支部2008年度大会との合同大会として下記のとおり開催します。

日時
2008年12月13日(土)11:00-19:30(10:30受付開始)
会場
兵庫県立人と自然の博物館 ホロンピアホール(兵庫県三田市)
参加費
1人200円(懇親会は別途1人2,000円)
鱗翅学会会員:受付は10:30 からホロンピアホール3階で行います。本館4階または3階入口で学会参加者である旨を告げ、 郵送のプログラムを呈示し、入館ください。観覧券の購入は不要です。
会員以外の方:学会会員以外の方も聴講できます。観覧券(大人200円)を購入して入館し、ホロンピアホール受付で参加費(1人50円)をお支払い下さい。
懇親会
18:00-19:30(会場は博物館内、会費2000円)
参加申し込みと収蔵庫見学を希望される方、懇親会に参加される方は、準備の都合がありますので、 12月11日(木)までに末尾連絡先までお申し込みください。申込者には詳しい合同大会プログラムを送信またはFAXします。

日本昆虫学会近畿支部2008年度大会・ 日本鱗翅学会近畿支部第137回例会 (昆虫学公開研究発表会) プログラム

特別講演
11:00
同所的に分布するゴミグモの捕食寄生者,Reclinervellus 属の2種の寄生習性と生活史(Hymenoptera:Ichneumonidae: Pimplinae)
松本吏樹郎(大阪市立自然史博)
11:30
マダラヤドリバエの寄生を克服するリュウキュウアサギマダラ
(A danaid butterfl y, Ideopsis similis,overcomes parasitization by a tachinid fl y, Sturmia bella)
○平井規央・石井実(大阪府大院・昆虫)
12:00-13:00
休憩
日本鱗翅学会近畿支部役員会
研究発表
13:00
1.ヒメボタル(Luciola parvula)幼虫と餌生物の生息密度の関係
○西嶋 翔・安岡拓郎・前藤 薫(神戸大院・農学)
13:15
2.ダンダラテントウ大阪個体群の鞘翅斑紋多型の季節変異に死亡率・産卵数・孵化率が及ぼす影響
○河上康子(高槻市)・大橋和典(豊中市)
13:30
3.ガガイモ科の送粉系に関する知見(その4):イケマへの飛翔性訪花者は送粉に貢献しているのか?
コハナバチ・マルハナバチ・蛾類、および、アリ類の訪花行動の比較検討 浜西 洋(兵庫県三田市)
13:45
4.コオロギGryllus #50 WEISSMAN 幼虫に見られる2種類の眠り(rest)とその機能
○西尾良平・竹田真木生(神戸大院・農学)
14:00
5.ミツバチ収穫ダンスの生理的側面
大谷 剛(兵庫県立大・自然環境科学研)
14:15
6.ギンケハラボソコマユバチの産雌単性生殖とそのメカニズム
○古江 翔・前藤 薫(神戸大院・農学)
14:30
7.日本産Zatypota属(Ichneumonidae,Pimplinae,Polysphincta-group)の幼生期と寄主
松本 吏樹郎(大阪市立自然史博物館)
14:45
8.ニホントガリシダハバチと同胞種シシガシラハバチの遺伝的様相と生物地理的考察
櫻井厚司(神戸大院・農学)
15:00 - 15:45
収蔵庫見学・ポスターセッション・休憩
日本昆虫学会近畿支部役員会
P1.ユアサハナゾウムシの奇妙な営繭/沢田佳久(兵庫県博)
P2.マメヤハズの飼育/沢田佳久(兵庫県博)
P3.ヒメボタルの発光時刻の地理的変異と気候との関係/○安岡拓郎(神戸大院・農学)・八木 剛(兵庫県博) ・前藤 薫(神戸大院・農学)・竹田真木生(神戸大院・農学)
P4.モルフォチョウの構造色の種多様性/木下修一・神戸亮(大阪大学)
P5.地元西宮市・宝塚市におけるクロマダラソテツシジミの調査研究/法西 浩(ひとはく地域研究員)
P6.モンシロチョウの翅の撥水性/○棚橋一郎・榎本将典(大阪工業大学工学部応用化学科)
15:45
9.北海道・長野産のチビガ科未知種の分類
○小林 茂樹・広渡 俊哉(大阪府大院・昆虫)・黒子 浩(阪南市)
16:00
10.モモ園から発見されたイナゴマメマダラメイガの分類
○北辻 類・吉安 裕(京都府大・生命環境)
16:15
11.北陸地方のコムラサキにおける色彩二型間の遺伝的分化
○長太伸章(京都大・院・理)・大脇 淳(里山科学館キョロロ)・曽田貞滋(京都大・院・理)
16:30
12.白山にベニヒカゲの西限をたずねて
小野克己(京都市)
16:45
13.モルフォチョウの構造色研究の現状
○木下修一・神戸亮・朱棟・蔡東生(大阪大学・筑波大)
17:00
14.近畿地方におけるクロマダラソテツシジミの発生状況と遺伝子解析
○平井規央・坂本佳子・矢後勝也・森地重博・山本治・石井 実(日本鱗翅学会近畿支部)
17:15
15.野生の動植物は誰のものか
鎌田邦彦(大阪市)
17:30
16.アサギマダラの移動-2008年の速報
○金沢 至・大島新一郎(アサギマダラを調べる会)
18:00-19:30
交流会(本館4階実習室)
申込先
〒546-0034 大阪市東住吉区長居公園1-23
大阪市立自然史博物館
金沢 至 Fax:06-6697-6225;
address:kana@mus-nh.city.osaka.jp
会場
兵庫県立人と自然の博物館
兵庫県三田市弥生が丘6丁目
電話番号:079-559-2001
http://www.hitohaku.jp/
電車ご利用の場合
JR三田→神戸電鉄公園都市線「フラワータウン駅」下車すぐ
車ご利用の場合
中国自動車道「神戸三田IC」より5分
バスご利用の場合
神姫バス「フラワーセンター前」下車すぐ

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。