マエアカスカシノメイガ Palpita nigropunctalis
(ツトガ科ヒゲナガノメイガ亜科)

夏の暑さが過ぎ、本格的な秋の訪れを感じはじめる9月の早朝に、アベリアの花を訪れたマエアカスカシノメイガを見つけた。

半透明の白い翅と橙色の差し色が美しいガで、早春のまだ寒い時期から灯火やコンビニの灯りに成虫が集まる。幼虫が公園の生け垣や人家に植栽されるネズミモチやライラック、オリーブなど様々なモクセイ科植物を餌としているため、都市から山間部まで広い地域で成虫を目にする。

本種の成虫は真冬以外いつでも見られるような気がするのだが、実は複雑な生活史を持っており、成虫が見られる時期は意外に限られている。幼虫が暑さにも寒さにも弱いのか、あるいは春と秋だけ餌の状態がよいのか、幼虫の生育に適さない時期を休眠してやり過ごすようだ。夏は成虫で、冬は蛹でそれぞれ休眠するらしい(Gotoh et al. 2011, 後藤 2012)。

撮影データ: 2022年9月23日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 中 秀司

閉じる

日本鱗翅学会

日本鱗翅学会四国支部第13回例会

2008年2月24日公開

※終了しました。

毎年恒例となりました四国支部の例会を開催します。 特に参加申し込みなどは行っていませんので、当日お気軽に御参加下さい。

日時・場所

日時
2008年2月24日(日曜日)11:00-16:00(予定)
場所
愛媛県総合科学博物館 生涯学習棟 2階 第3研修室
松山道西条インターより約5分

プログラム

本年は以下のような演題を予定しています。

テーマ講演「北上する蝶と蛾:四国の場合」
四国4県で最近見られるようになった南方系の蝶や蛾についての講演を各県ごとにしていただく予定です。
「高知県で発見された南方系の蛾~キョウチクトウスズメ、リュウキュウフトスジエダシャクほか~」真鍋泰彦(高知)
「タテハモドキ宇和島に定着か」林弘(愛媛)
「徳島県における南方系の蛾3種について」山田量崇・小汐千春・大原賢二(徳島)
「鳴門市におけるヤクシマルリシジミの発生状況について」 小野瀬雅人(徳島)
「北上する蝶と蛾、この50年;香川県の場合」増井武彦(香川)
そのほかの演題
クロヒカゲの黒化型を採集」太田喬三(愛媛)
「愛媛県のホシミスジ」窪田聖一(愛媛) など

日本鱗翅学会

〒113-0001
東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
勝美印刷株式会社内 日本鱗翅学会事務局
※ お問い合わせフォームより御連絡下さい。

鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。