マエアカスカシノメイガ Palpita nigropunctalis
(ツトガ科ヒゲナガノメイガ亜科)

夏の暑さが過ぎ、本格的な秋の訪れを感じはじめる9月の早朝に、アベリアの花を訪れたマエアカスカシノメイガを見つけた。

半透明の白い翅と橙色の差し色が美しいガで、早春のまだ寒い時期から灯火やコンビニの灯りに成虫が集まる。幼虫が公園の生け垣や人家に植栽されるネズミモチやライラック、オリーブなど様々なモクセイ科植物を餌としているため、都市から山間部まで広い地域で成虫を目にする。

本種の成虫は真冬以外いつでも見られるような気がするのだが、実は複雑な生活史を持っており、成虫が見られる時期は意外に限られている。幼虫が暑さにも寒さにも弱いのか、あるいは春と秋だけ餌の状態がよいのか、幼虫の生育に適さない時期を休眠してやり過ごすようだ。夏は成虫で、冬は蛹でそれぞれ休眠するらしい(Gotoh et al. 2011, 後藤 2012)。

撮影データ: 2022年9月23日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 中 秀司

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日本鱗翅学会

第134回日本鱗翅学会近畿支部例会のご案内

2007年5月20日公開

※終了しました。

下記のとおり第134回例会を開催しますので、多数の方のご参加をお願い申し上げます。会員以外の方のご参加も歓迎します。

日時
2007年5月20日(日)13:00-17:00
会場/dt>
大阪市立自然史博物館 集会室
(長居公園;長居東バス停近くの南側通用口から入場してください)
懇親会/dt>
例会終了後に懇親会を開催します。参加ご希望の方は5月15日までに金沢までご連絡ください。会費4,000円の予定。

12:00から役員会を開催しますので役員の方は会場へお集まり下さい。

講演題目:(予定)
キチョウ(キタキチョウ)の越冬生態:伊藤 ふくお(奈良県)
ヤママユ風の唐代髪飾りとシルクロード:松田 真平(大阪市)
幻の蛾 クワイホソハマキ:○那須 義次・駒井 古実(大阪府)
トリバガ科の幼生期:吉安 裕(京都府大)
ブナ科植物を喰う小蛾類-ブナ科スペシャリストはどれだけいるのか? 寺本 憲之(滋賀県)
最近 採れない普通種の蛾:木下 總一郎(摂津市)
アサギマダラの種子島 -春の中継基地として:村上 豊(アサギマダラを調べる会)
韓国のアサギマダラとマダラチョウ類の分子系統樹:○金沢 至・新川 勉・宮武頼夫・村上 豊(大阪市自然史博他)
アサギマダラプロジェクトについて:石井 実(日本鱗翅学会理事)
お問い合わせ先
日本鱗翅学会近畿支部幹事長 金沢 至
〒546-0034大阪市東住吉区長居公園1-23 大阪市立自然史博物館
TEL:06-6697-6221
FAX:06-6697-6225
E-mail:kana@mus-nh.city.osaka.jp

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東京都文京区白山 1-13-7
アクア白山ビル5F
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鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。