マエアカスカシノメイガ Palpita nigropunctalis
(ツトガ科ヒゲナガノメイガ亜科)

夏の暑さが過ぎ、本格的な秋の訪れを感じはじめる9月の早朝に、アベリアの花を訪れたマエアカスカシノメイガを見つけた。

半透明の白い翅と橙色の差し色が美しいガで、早春のまだ寒い時期から灯火やコンビニの灯りに成虫が集まる。幼虫が公園の生け垣や人家に植栽されるネズミモチやライラック、オリーブなど様々なモクセイ科植物を餌としているため、都市から山間部まで広い地域で成虫を目にする。

本種の成虫は真冬以外いつでも見られるような気がするのだが、実は複雑な生活史を持っており、成虫が見られる時期は意外に限られている。幼虫が暑さにも寒さにも弱いのか、あるいは春と秋だけ餌の状態がよいのか、幼虫の生育に適さない時期を休眠してやり過ごすようだ。夏は成虫で、冬は蛹でそれぞれ休眠するらしい(Gotoh et al. 2011, 後藤 2012)。

撮影データ: 2022年9月23日 鳥取県鳥取市
撮影・文章: 中 秀司

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日本鱗翅学会

第130回日本鱗翅学会近畿支部例会のご案内

2005年5月22日公開

※終了しました。

下記のとおり第130回例会を開催しますので、多数の方のご参加をお願い申し上げます。会員以外の方のご参加も歓迎します。

日時
2005年5月22日(日)13:30-17:00
会場
大阪市立自然史博物館(長居公園内;裏門から入場してください)
懇親会
例会終了後に懇親会を開催します。会費は5,000円です。

講演題目:(12:30から役員会を開催します)

1. 滋賀県版レッドデータブック鱗翅類の改訂について
南 尊演(滋賀県立八幡高等学校)
2.チョウ類の生物多様性保全をめぐる環境省等の動向-外来生物法の施行、RDBの第2次見直し、自然公園法の改正など-
石井 実(大阪府大・生命環境)
3.大台ヶ原のガ類群集を利用した森林環境評価
立岩邦敏 他(大阪府大)
4.挺水植物を寄主とする蛾類
吉安 裕(京都府大)
5.幼虫がタデ科植物に潜るツヤコガ
李 峰雨・広渡俊哉(大阪府大)、黒子 浩(阪南市)
6.ブナ科植物寄主とする不思議な形態を有する幼虫
寺本憲之(滋賀県)

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鱗翅(りんし)というのは鱗翅目(チョウ目)Lepidopteraのことで、鱗粉のある翅を持った昆虫すなわちチョウやガの仲間です。この小さな生き物はその素晴しい魅力で古い時代から私たちをひきつけてきました。日本鱗翅学会はこのチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しており、興味のある人は誰でも入会できる開かれた学会です。